現行の50円玉が24万円に大化け! 高値になるコインの特徴は?
現行貨幣の中には、その価値が数万倍になるお宝があります。その1つである「穴ズレエラー」と呼ばれるエラーコインを今回は取り上げます。
8月10日に開催された銀座コインオークション『第119回 入札誌「銀座」』では、現行貨幣がいくつか落札されました。その中で興味深い落札結果となったもののうち、穴ズレの50円玉についてピックアップします。どんな穴ズレだと高価になるのか、確認していきましょう。
穴ズレの硬貨はいかにズレているか&完全未使用である点も高値を呼ぶ材料に
24万円に大化けした実際の50円玉(画像出典:第119回入札誌「銀座」Lot番号:458 50円白銅貨 昭和49年 穴ズレエラー PCGS(MS66)(銀座コインオークション))
落札された50円玉を見ると、本来穴が開くべきはずの部分に穴がなく、かなりずれて穴が開いていることがわかります。
これだけ穴がずれていると本物かどうか疑いたくなるぐらいですが、穴ズレエラー硬貨であることは間違いありません。その証拠として、コインの鑑定機関の1つであるPCGSから「Mint Error」表記が示されています。
PCGSの鑑定で「MS66」の評価(画像出典:第119回入札誌「銀座」Lot番号:458 50円白銅貨 昭和49年 穴ズレエラー PCGS(MS66)(銀座コインオークション))
落札結果はなんと21万円。手数料込みで24万4650円となりました。大きく穴ズレとなったことが高値となった最大の要因ですが、もう1つ付加価値を高めたのがPCGSの鑑定です。エラーコインのお墨付きだけではなく、その評価が「MS66」と完全未使用といえる評価が付いたことも高値を呼ぶ材料となった模様です。
コイン評価は、一般的に完全未使用評価は65以上となっており、70が最高評価になります。古いコインになればなるほど完全未使用評価は減っていきます。今回の出品物は昭和49年の50円玉で、既に50年が経過した逸品になります。コインホルダーか何かに入れて大切に保管されていたものをPCGSに鑑定に出したのではないでしょうか。ほとんど人目に触れずに発見され、大事に保管されていたものと推測されます。
エラーコインを発見したら極力手で触れずに保管、鑑定に出そう
これだけの穴ズレは古い現行硬貨では見つかることはあるものの、最近発行の硬貨では見つけることは至難の業でしょう。当時よりも技術が発達し、エラーコインは出現しにくくなっているからです。とはいえ、絶対ないとは言い切れません。そのため、硬貨でお釣りをもらったときに何か違和感があったら、エラーコインではないかどうか調べてみましょう。穴ズレはそのズレ方がひどければひどいほど高値となります。運よく発見したら、極力手で触れないようにして保管しましょう。できればPCGSやNGCといったコインの鑑定機関に鑑定を出してお墨付きをもらうべきです。
コインの鑑定機関への鑑定は、日本国内にあるコイン商(例:ワールドコインズ・ジャパン、泰星コインなど)を経由して出すことができます。鑑定に出してスラブ入りにすることで、保管も楽になります。そして付加価値を高めオークションに出品してみてはいかがでしょうか。大化けするかもしれません。
<参考>
・第119回入札誌「銀座」Lot番号:458 50円白銅貨 昭和49年 穴ズレエラー PCGS(MS66)(銀座コインオークション)