人間関係

大規模調査で実態あらわに…40代女性「夫とはレスでいい」が「誰ともしたくないわけではない」(2ページ目)

「夫婦生活がない」と答えた40代女性の9割は、夫とそのことを話す意思がないというアンケート結果がある。不倫が多いのも40代。子育ても仕事も一段落し、新しい世界に踏み出したときに、同時に「恋愛」という2文字が浮かび上がるのかもしれない。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

心惹かれる男性が現れ「ドキドキが……」

自分に恋愛感情があることすら忘れていたが……

自分に恋愛感情があることすら忘れていたが……

「結婚していて子どももいて、仕事もしている。忙しくて泣きたくなることもあるけど、まあ、こんなもん」と毎日張り切って過ごしていたアイミさん。自分の中に恋愛欲求などまったくないと思っていた。

「恋愛ドラマなんてもう観なかったし、恋愛という言葉そのものが遠かった。それなのにあるとき、ドキドキするようなことになってしまって」

3日間のセミナーで知り合った6歳年下のジュンさんが、最終日に「もう少しだけ話せませんか」と声をかけてきた。まだ時間も早いしとふたりでカフェに行った。

「仕事の話をしていたんですが、彼が『アイミさんの話し方って、とても魅力的です』って。『アイミさんみたいな人がいたら僕も結婚するのに』と。彼はまだ独身なんです。何言ってるのよと流したけど、なんだか心が乱れました」

それから1週間後、ジュンさんから食事に誘われた。だが夕方以降はやはり出ることはむずかしい。考えた末、夫に「ねえ、私もたまには飲み会に行きたいんだけど。あなた、しょっちゅう行ってるよね。私も仕事の潤滑油として飲み会出席したいのよね」と言ってみた。日頃から家事を任せることが多いため、夫は少し後ろ暗かったのかもしれない。

「『おお、飲み会くらい行ってこいよ。オレが子どもたちを見るから』と言ってくれた。それで週末金曜日の夜、ジュンと食事をしました。久しぶりに男性とふたりきりで食事をして、夜の街を歩いて、もう1軒バーに行って。すっかり華やいだ気分になりましたね」

「女性にも欲望の解消は必要なんだなと」

不倫にはまる女性の中には、こういうケースが非常に多い。恋愛などする気もなく、そんな感情も忘れていたのに、ふとしたことで一気に恋愛モードに切り替わってしまうのだ。あるいは女としての自分に目覚めてしまうこともある。アイミさんは後者だったという。

「恋愛感情というより、自分が女だったことを再発見したというか(笑)。母で妻で主婦で社会人で、という役割から、ふわりと“女”が浮かび上がったような気がしましたね」

2度目の食事のあと、誘われるままにホテルに行ってしまった。「自分の体は、こんな風にも使えるんだという妙な発見があった」と、アイミさんは興味深いことを言った。いつもとは役割の違う自分の体、そして深い欲望に驚いたのだそうだ。

「結局、彼とは月に1回くらいの割合で会っています。恋愛とは違うと思う。むくむくっと起き上がってきた自分の欲望が肥大しているだけ。彼のことは嫌いじゃないけど、何もかも振り捨ててもいいと思えるような恋ではない。女性にも欲望の解消は必要なんだなと今は思っています」

だったら夫と復活してもいいのではないかと考えたこともある。だが、「それはできない」と思い直したとか。

「夫じゃだめなんですよねえ。欲望の解消をするには、存在が身近すぎるんです」

夫婦としてはうまくいっているんですが、とアイミさんは苦笑した。

<参考>
・「夫婦のセックスレスに関する実態調査 第8報」(レゾンデートル)
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