<目次>
株の売り時とは?
という質問をいただきました。そこで本記事では、この質問に対する筆者の考えを共有します。
ドンピシャのタイミングで株を売買できることは稀
「頭と尻尾はくれてやれ」という相場格言があります。これは、株の買い時・売り時を考えるときに底(一番安い価格)で買ったり、天井(一番高い価格)で売ったりすることは、狙っても叶わないという意味の格言です。筆者も株をはじめて15年が経ちますが、ドンピシャのタイミングで株を売買できることは稀です。年に1回くらいはクリーンヒットすることがありますが、それ以外は平凡です。
一番安い価格で買えなくても、それなりに安いところで買えれば良し。一番高い価格で売れなくても、それなりに高いところで売れれば良し。ドンピシャなタイミングで売買できなくても、トータルで儲かっていれば「それで良いじゃないか」と足るを知ることも大切ではないでしょうか。
それでも知っておきたい「株の売り時」って?
とはいえ、そうは言っても「できるだけ良いタイミングで売りたい」と思うのが人情です。そこで以降では、筆者が考える「株の良い売り時」について3つのパターンを紹介します。要点をまとめると、
- 資産全体で見て株式の比率が高すぎる
- 持ち株の株価が上がって割高に見える
- 持ち株の業績の見通しが暗くなった
売り時①「資産全体で見て株式の比率が高すぎる」
1つ目の売り時が「資産全体で見て株式の比率が高すぎる」ケースです。株式市場が好調だと、だいたいどんな株を持っていても値上がりします。すると、自分の持っている「全財産」の中で、株の割合が膨らみすぎてしまう場合があります。
たとえば、全財産が1000万円で「私は全財産のうち50%くらいは株で運用し、残りは無リスク資産(純金や国債)にする」と決めた人がいるとしましょう。この人にとって快適な資産配分は「株500万円、純金500万円」のような資産配分です。
ここで仮に、株式市況が絶好調で、株価が2倍になったとします。この場合、この人の資産配分は「株1000万円、純金500万円」となります。株式市場が好調で利益が出ているので、ついつい「儲かってる株をもっと持ちたい」という気分になりそうですが、事前に決めたルールに従うのであれば株を一部売って「株750万円、純金750万円」のようにリバランスするのが正解です。
長い歴史を振り返ってみると、株式市場は「行き過ぎてしまう」ことが多いです。うまく行っているときほどブレーキを踏むことで、相場が下がったときに「株を安く買い増すための余力」を用意しておくことができます。日本の年金ファンド(GPIF)などは、このようにリバランスすることで、手堅く資産を増やしています。
売り時②「持ち株の株価が上がって割高に見える」とき
2つ目の売り時が「持ち株の株価が上がって割高に見える」ときです。これはかなり分かりやすいパターンで、割高と分かったタイミングで売ってしまえばOKです。
たとえば、「配当利回りが高いから買ったけれど、株価が上がって、配当利回りが下がってきた。別の高配当株を買えば、もっと配当収入を増やせそうだ」という場合が挙げられます。配当収入を増やしたり、値上がりの可能性が大きい株へ乗り換えるチャンスは、積極的に掴んでいきたいところです。
売り時③「持ち株の業績の見通しが暗くなった」とき
3つ目の売り時が「持ち株の業績の見通しが暗くなった」ときです。たとえば、これから業績が良くなると思っていたけれど、実際には酷い決算を出して、これからも改善するメドが経っていないときなどが挙げられます。筆者もたびたび経験があるのですが、「有望だと思っていた会社が、実はそうでもなかった」ということがあります。
そういう会社は、状況を打破できるメドがあるなら良いですが、そうでない場合はいちど業績が悪くなるとドンドン悪くなり、株価もズルズルと下がっていきます。筆者が失敗したときは、そのままどんどん株価が下がっていって半分になってしまいました。
結局、株価の裏付けとなるのは「業績」です。業績が悪くなっていく会社はだいたい株価も停滞しがちなので、さっさと見切りをつけて別のもっと有望な株へ乗り換える方がうまくいくことが多いですね。
まとめ
改めてまとめると、筆者なら- 資産全体で見て株式の比率が高すぎる
- 持ち株の株価が上がって割高に見える
- 持ち株の業績の見通しが暗くなった
株式市場はランダムな動きをすることも多いですから、多少、裏目に出てしまうことは仕方がありません。とはいえ、上述した3つの方針に従っていれば、リスクを抑えながら、上手に株を売ることができるはずです。
株の売り時がいまいちイメージできない方は、まずはこの3点から意識してみてはいかがでしょうか。