東京の名所・浅草と上野を味わう6時間の観光コース
ショッピングに食べ歩き、映画やお芝居も観たいし、エステやヘアサロンでキレイになるのもはずせない……。東京にいると見たいもの、やりたいことがてんこ盛りで、なかなか名所観光まで手が回らないもの。そこで今回は、丸1日東京観光に時間をとられたくないという方必見! 半日で東京の“THE観光スポット”上野・浅草を巡るコースをご紹介します。昼間の6時間。さらにゴールの上野駅はどこへ行くにもアクセスがいいので、夕方までに周り切れば、その後はまた別のスポットへ移動して悠々遊ぶこともできます。もちろん2016年7月に世界文化遺産に登録された『国立西洋美術館』も入っていますよ!
それではまずはスタート地点、浅草・雷門へまいりましょう。
<目次>
■浅草
10:00~10:30 浅草の象徴・雷門から仲見世散策
10:30~11:30 『浅草寺』と『浅草神社』参拝
11:30~12:30 江戸を味わう浅草ランチ『並木藪蕎麦』
■上野
12:45~14:00 『西郷隆盛像』と上野・芸術の森散策
14:00~15:00 明治の社交場、『上野精養軒』でティータイム
15:00~16:00 「医薬の神様」と東京の琵琶湖・不忍池散策
10:00~10:30 浅草の象徴・雷門から仲見世通りへ
写真は、浅草寺・雷門前の風景。参拝客は国際色豊か!いつ行っても記念撮影の大人気スポットです。6時間コースはここからスタート!
浅草寺の総門・雷門。平日でも世界各国からの観光客、そして浅草の観光スポットを巡る人力車などで大賑わいのこの場所は、写真スポットとしても大人気。高さ3.9メートル・幅3.3メートル・重さ700キログラムの大提灯の両脇には、自然災害の除難を祈願して風神・雷神が祀られています。
門の全景をワンショットに収めようと離れたところからカメラを構える人が多いのですが、実は大提灯のほぼ真下から見上げるように撮るというのが意外にも穴場。上の画像のような背景になるよう、記念撮影してみてはいかがでしょうか。
雷門をくぐれば、両脇にずらりとみやげ物屋さんが並ぶ『仲見世通り』です。250mに約90軒のお店がひしめく、江戸時代から続く日本最古の商店街。外国人観光客向けの「キモノ風ガウン」や「漢字Tシャツ」などが目につきますが、100年以上の老舗も多く、中には歌舞伎の役者さん愛用の扇の店、江戸時代に親しまれた豆おもちゃの店など、日本人でも唸る名店も多々。おせんべいや揚げ饅頭などをつまみながらのそぞろ歩きも楽しめます。
<DATA>
■浅草仲見世商店街振興組合
アクセス:東京メトロ銀座線『浅草』駅より徒歩2分
*営業時間、定休日などは各店による
仲見世通りを過ぎればいよいよ浅草寺!
10:30~11:30 浅草寺と浅草神社
いよいよ『浅草寺』の本殿へ。反り返っている急な勾配の屋根が特徴です。お線香の煙をかぶっていざ参拝!
浅草寺の宝物がここに納められています。この門をくぐって本堂へ……のその前に、右手の緑が生い茂っている『弁天堂』へ足を延ばしましょう。
ここには白髪の弁天様・老女弁財天が祀られていますが、お堂の手前にある鐘楼、これは江戸時代に人々に時間を知らせた時の鐘の一つで、松尾芭蕉の句「花の雲、鐘は上野か、浅草か」にも詠まれています。現在でも毎朝6時にお坊さんが鐘をつき、浅草の人々に1日の始まりを知らせています。
さて宝蔵門をくぐると、左手に『五重の塔』そして正面にはいよいよ浅草寺の本堂『観音堂』が見えてきます。大香炉からたちのぼるお線香の煙をかぶって、いざ都内最古のお寺の中へ。約1400年前に開かれ、徳川家康に幕府の祈願所とされてからは、「浅草の観音様」として親しまれてきたこのお寺、年月を重ねた今でも、江戸時代と変わらぬ人気を集めています。
観音堂のさらに奥には、石造りの鳥居を入り口とした『浅草神社』が。この神社の例大祭が江戸三大祭の三社祭です。こちらにも三社祭で担がれるお御輿が三基安置されていますが、残念ながら普段見ることは叶いません。しかしこの神社の社殿は、国の重要文化財に指定されている貴重な建物。三代将軍・徳川家光が1649年に立てたものが、戦災を免れて今に残っています。
<DATA>
■浅草寺
住所:東京都台東区浅草2-3-1
アクセス:東京メトロ銀座線『浅草』駅より徒歩5分
■浅草神社
住所:東京都台東区浅草2-3-1
アクセス:東京メトロ銀座線『浅草』駅より徒歩7分
11:30~12:30 江戸を味わう浅草ランチ
細切り蕎麦を温かいツユにつけていただく『並木藪蕎麦』の蕎麦。歴史あるその味は、一度食べたら忘れられない
私のオススメは雷門からみて浅草寺と反対側に位置するお蕎麦屋さん『並木藪蕎麦』。大正2年創業で、お店には観光客はもちろん地元浅草の方々が訪れ、いつも行列が出来ている人気店です。実はこちら、漫画『美味しんぼ』で「『並木藪』のツユは日本一」と描かれたお店。これ以上ないぐらい色・味ともに濃いツユに、細い蕎麦を少しだけつけていただくのですが……これが絶品! 忘れらなくなるお味に後ろ髪をひかれますが、さぁそろそろ移動です。東京メトロ銀座線に乗って上野へ向かいましょう。
とその前に!東京メトロの出入口が多数集まる吾妻橋のたもとから隅田川を望みましょう。目の前には東京の新名所・東京スカイツリーが雄大な姿を見せてくれます。時間に余裕があれば、東武スカイツリーラインの浅草駅上の駅ビル『浅草EKIMISE』へ。ここの屋上は開放的な広場になっていて、足元の方からてっぺんまで東京スカイツリーをほぼ丸ごと眺めることができるのです。撮影スポットとしてもオススメですよ。
<DATA>
■どぜう飯田屋
住所:東京都台東区西浅草3-3-2
アクセス:東京メトロ銀座線『浅草』駅より徒歩9分
■鰻 やっこ
住所:東京都台東区浅草1-10-2
アクセス:東京メトロ銀座線『浅草』駅より徒歩5分
■並木藪蕎麦
住所:台東区雷門2-11-9
アクセス:東京メトロ銀座線『浅草』駅より徒歩2分
■浅草EKIMISE
住所:東京都台東区花川戸1-4-1
アクセス:東武スカイツリーライン『浅草』駅直結
東京メトロ銀座線『浅草』駅より徒歩1分
午後は上野の「顔」に会いに行きましょう。
12:45~14:00 西郷隆盛像と上野・芸術の森
『国立科学博物館』には野外にも生物の生態に興味を持たせる仕掛けが満載。シロナガスクジラの大きさにはしばし唖然……
浅草駅から東京メトロ銀座線に乗って約5分。7番出口を出て道なりに進み、横断歩道を渡ってしばらく行くと右手に見えてくるのが『上野恩賜公園』への入り口となる階段です。
この階段を上がりきるとまず見えてくるのが、上野のシンボル『西郷隆盛像』。西郷さんの明治維新に尽力した功績をたたえて作られた銅像は、普段着姿で愛犬・ツンとともに立ち、上野の町を見下ろしています。彫刻家で詩人の高村光太郎の父、高村光雲の作品です。
西郷さんに別れを告げたら、芸術の森・上野公園の奥に入っていきましょう。木が生い茂り、緑のアーチの下を歩いているかのような気分にさせてくれるこの公園は、春は桜、夏は蓮、秋は紅葉、冬は牡丹など四季折々の植物が楽しめます。
さて西郷隆盛像は公園の一番南に位置しますが、北へ歩くと見えてくるのが、西洋美術を専門とする国内唯一の国立美術館『国立西洋美術館』、その隣が国立の総合科学博物館『国立科学博物館』。そして一番北に位置するのが日本で一番収蔵品が多い博物館『東京国立博物館』です。
とにかく、いつでも魅力的な展覧会が開催されている上野の美術館、博物館。時間が許すならばひとつぐらい入場したいところですが、実はこの美術館たち、中に入らなくとも建物外観だけで十分楽しめるのです。
例えば国立西洋美術館の本館は20世紀を代表するスイス生まれの建築家、ル・コルビュジエの設計で、2016年7月17日に世界遺産への登録が決まった建物。入口付近の柱(ピロティ)や外壁などにコルビュジエ建築の特徴が現れているそうです。
また国立科学博物館では、出口に地球上に現存する最大の生物・シロナガスクジラ(全長30m)の原寸大模型が展示され、さらに建物を回りこんだ裏側ではこちらも野外に、日本初の人工衛星を打ち上げたロケットランチャーの現物が展示されています。
東京国立博物館には5つの展示館があり、それぞれの個性を発揮していますが、特に『表慶館』は明治末期の洋風建築を代表する建物。日本初の本格的な美術館で国の重要文化財に指定されています。
<DATA>
■国立西洋美術館
住所:東京都台東区上野公園7-7
アクセス:東京メトロ銀座線『上野』駅より徒歩8分
■国立科学博物館
住所:東京都台東区上野公園7-20
アクセス:東京メトロ銀座線『上野』駅より徒歩10分
■東京国立博物館
住所:東京都台東区上野公園13-9
アクセス:東京メトロ銀座線『上野』駅より徒歩15分
14:00~15:00 明治の社交場、上野精養軒でティータイム
さて東京ドーム11個分の公園内を端から端まで歩けば、そろそろ一息つきたいところ。各美術館、博物館にも素敵なカフェが併設されていますが、来館者でどこもいっぱい……。そんな中、喧騒を離れてちょっとほっとできるのが、上野公園の中央あたりに位置するフランス料理の老舗『上野精養軒』です。上野公園内の社交場として、岩倉具視などの働きかけで誕生した上野精養軒。オープンした明治9年当時は貴族たちが詰め掛け、鹿鳴館時代の人気スポットとして華やかな時代を駆け抜けてきました。文明開化のシンボル的存在だっただけあって、その立地は最高。光溢れる『カフェラン ランドーレ』で、目の前に広がる上野の緑を愛でながら、お茶を頂いてみてはいかがでしょうか。こちらでは食事はもちろん、お茶だけの利用もOKです。
<DATA>
■上野精養軒
住所:東京都台東区上野公園4-58
アクセス:東京メトロ銀座線『上野』駅より徒歩5分
15:00~16:00 「医薬の神様」と東京の琵琶湖・不忍池
そろそろこのコースもラストスパート。東京メトロ上野駅へ向かいましょう。上野精養軒を出てしばらく行くと、右手に朱塗りの鳥居が連なっているのが見えてきます。ここは1900年前に祀られたといわれる『五條天神社』。病を治す薬と方法を伝えた神様を祀っている為、古くから医薬の神様として信仰されていて、無病息災を願う人々が訪れる神社です。お参りをした後、鳥居とは反対方面に出れば、そこは『不忍池』。琵琶湖に見立てて池の真ん中に島が築かれ、そこに弁天堂が作られたという不忍池は、春はほとりを彩る桜が、そして夏は一面の蓮に覆われる“絵になる池”です。池の周りを歩くと、色んな表情の不忍池が見えてきますが、やはり池の水面に浮かぶように見える弁天堂がベストビューなのではないでしょうか。弁天堂へかかる天龍橋のたもとから南へ200mほど歩けば、東京メトロの入り口が見つかります。
というわけで、6時間で東京の下町、浅草・上野を駆け抜けました。プランどおりに行けば時刻はまだ午後4時。銀座へは東京メトロ銀座線で11分、渋谷へは26分。秋葉原へは東京メトロ日比谷線で3分など、上野はどこへ出るのも交通の便がいいので、夕方から夜にかけてもう1エリア、プラスできますよ。充実した1日を過ごすためにも是非お役立てください。
<DATA>
■五條天神社
住所:東京都台東区上野公園4-17
アクセス:東京メトロ銀座線『上野』駅より徒歩5分
■上野恩賜公園
住所:東京都台東区上野公園・池之端3丁目
アクセス:東京メトロ銀座線『上野』駅より徒歩2分
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