株価が暴落したときこそ“忍耐”が大事
――2024年からスタートした新NISAで投資を始めた人にとっては、初めて株価の大暴落に直面し、どうすればよいのか焦った人も多いと思います。このように相場が大幅に下落したときは、どのように対処することが大事ですか?桐谷さん:株が暴落すると不安になって、持っている株を売ってしまう人がいます。しかし、株価が下がったときに投げ売りすると、大体そこが大底であることが多いです。
昔、将棋の世界に大山康晴名人という、非常に偉大な棋士がいらっしゃいました。大山名人は、「忍耐」の「忍」という字を大切にされており、苦しいときこそ冷静に耐え抜く姿勢を常に持ち続けておられました。
株式投資も同様、相場が下落して不安なときこそ、慌てずに耐え、状況が改善するまで冷静に対処する“忍耐”が大事だと思いますね。
公式YouTubeチャンネル『All About マネー』の番組に出演し、株価が暴落した時の心得について語る桐谷さん
暴落があっても投資は続けるべき
――今回のような暴落があっても、新NISAで投資を続けるべきでしょうか?桐谷さん:借金をして株式投資をやるのはよくないですが、余っているお金があったら、新NISAを使って株を買うのがいいと思いますね。
2024年1月から始まった新NISAでは、非課税で保有できる期間に制限がなくなりました。買った株や投資信託が値上がりして儲けても税金がゼロ、配当金をいただいても税金がゼロと非常に優遇されています。大体、“儲けたら税金がかかる”というのが当たり前ですから、大変画期的な制度ではないでしょうか。
私は高卒で経済学の専門家でもありませんが、40年間、株式市場でいろいろな売買を実践し、大儲けしたこともあれば、大損したこともあります。経験を積み重ねていく中で、“優待がある株の分散投資が一番”だということに気づきました。
それで、ありがたいことに今は資産が6億円ぐらいあります。こういった自分の経験からいうと、余っているお金がある人は投資をした方がいいと思いますね。
――経済専門家の中には、“新NISAはやらない方がいい”という意見もあります。そのような見解について、どう思われますか?
桐谷さん:株価が暴落するから新NISAをやらない方がいいというのは、ちょっと違うと思いますね……。確かにこれまでにも株価の暴落は何度かありました。山一証券や北海道拓殖銀行が破綻したときの暴落とか、ITバブル崩壊とか。あるいはリーマン・ショックとか……これは私も本当に死にそうになりました。
けれどその都度、株式市場は立ち直っています。だから一時的な暴落があっても大丈夫なので、余っているお金があったら、新NISAで株を買った方がいいと思いますね。
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教えてくれたのは……桐谷広人さん
将棋棋士・投資家。日本テレビ系バラエティ番組『月曜から夜ふかし』に出演し、現金を使わない「株主優待生活」が話題になった。現在はテレビや講演会、雑誌などで幅広く活躍。『日経マネー』(日経BPマーケティング)、『ダイヤモンドZAi(ザイ)』(ダイヤモンド社)で連載中。
※紹介している内容は、2024年8月1日に収録した動画から、一部抜粋して編集したものになります。