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いつまで続ければいいの? 1人で父親の介護を担い心身ともにボロボロ…周囲からの「頑張って」がつらい

多くの人が直面するであろう「介護」。そこには介護離職、きょうだい間のトラブル、相続などさまざまな問題が横たわっているようです。本稿では介護に悩む人のエピソードを紹介しながら、介護アドバイザーの横井孝治が対応策や注意点などを解説します。※サムネイル画像:maruco/PIXTA(ピクスタ)

横井 孝治

執筆者:横井 孝治

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1人で介護を担い心身ともにボロボロ。周囲からの「頑張って」という言葉がつらい…… ※画像:maruco/PIXTA(ピクスタ)

1人で介護を担い心身ともにボロボロ。周囲からの「頑張って」という言葉がつらい…… ※画像:maruco/PIXTA(ピクスタ)

介護をする人にとっては、身体的な負担はもちろん、精神的な負担がつきもの。もう一生懸命やっているにもかかわらず、家族や親戚、友人などから「頑張れ」と言われたら「私がやらないと」と思い込み、1人で抱えてしまうこともあるでしょう。心身ともに追い詰められてしまう前に知っておきたいことを、介護アドバイザーの横井孝治が解説します。
<目次>

一体いつまで頑張り続ければいいの?

「周りに相談しても、『親孝行のチャンス。今が頑張り時だね』と言われるばかり。一体いつまで頑張ればいいのでしょうか」

そんな相談をくれたのは、ユウコさん(仮名/50代女性)。一人娘で、両親と3人で同居生活を送ってきましたが、1年前に父親が脳梗塞に。介護が必要になり、体が思うように動かない父は、ストレスで怒りっぽい性格になったといいます。母親はただ泣くばかりで、家事も介護も手につかないとのこと。

仕事を続けながら父親の介護を1人で背負い、同時に母親の面倒も見る日々。身近な存在である友人や職場の上司にもその苦労を分かってもらえず、心身ともにボロボロになりながら孤軍奮闘しているユウコさん。もう十分に頑張っているはずなのに、周りから言われる「頑張って」が彼女を追い詰めていました。

今までの自分を褒めて、心身を休ませて

筆者がかけたい言葉は、「もう頑張らなくていい。今までの自分を褒めて、心身を休ませて」、これに尽きます。

ユウコさんは1人で介護と向き合いながらいろいろな情報を調べ、そして勇気を振り絞って筆者に相談してきてくれました。それだけで、ユウコさんが日々どんな思いで介護と向き合っているかが十分すぎるほど伝わってきます。

他の誰が何を言おうとも、筆者はユウコさんの頑張りを認めます。そして尊敬します。

限界まで頑張っている人に「頑張れ」と言うのは、筆者はあまりに無責任な物言いだと思っています。どうか、まずは一度ラクになってもらいたい。

>次ページ:外野の「頑張れ」はスルーしてもいい
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