資産運用

「個人向け国債」を手放した方が良いのは、どんなとき?

みなさんから寄せられたお金についてのさまざまな疑問や悩みに、ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんが答えてくださいました。今回は「個人向け国債を手放す場合の判断基準」についてです。

執筆者:All About 編集部

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みなさんから寄せられたお金に関するさまざまな疑問や悩みに、ファイナンシャルプランナーの深野康彦さんが答えてくださいました。今回は、個人向け国債を売却する場合の判断基準が知りたいという方からの質問です。
 

Q. 個人向け国債を購入しましたが、今後の経済状況をみて売却をする場合、どのような指標で判断すればよいでしょうか?

「マネー誌で深野先生の記事をよく読んでいます。先生のアドバイスを受けて、個人向け国債を購入しました。10年変動型です。ただ、今後10年間の日本や世界の経済については悲観的な見方が多いです。いつでも売却できることは理解していますが、どのような指標を判断材料にすれば良いでしょうか? 長期金利は今後も上昇を続けるでしょうか? 個人向け国債は歴史が浅く、過去の金利にはマイナスもありました」(こぶたさん/女性/55歳/専業主婦)

<世帯年収>1100万円
<現預金>8000万円
個人向け国債を手放す判断ポイントは?

個人向け国債を売却する場合の判断基準とは?

 

A. 「金利がピークアウトしたときが、判断するタイミングです」(深野さん)

個人向け国債は今年で21年目ですが、確かに他の金融商品に比べて歴史が浅いです。過去の金利について「マイナスも出ている」とのことですが、実際には個人向け国債の金利は0.05%以下にはならないように、最低保障がされているのでマイナスにはなりません。
 
また、日本や世界の経済が悲観的だったとしても、個人向け国債は国が破綻しない限りは元利金保障されているので、安全性が高い金融商品になります。

個人向け国債は1年経過後に解約が可能です。売却する場合の判断する指標は、金利がピークアウトしたときです。長期金利がこれ以上上がらないと判断したときに解約し、その時点で固定金利の商品に乗り換えるのが良いでしょう。例えば、個人向け国債の固定5年や新窓口販売国債(固定10年)などです。そうすることで、金利が高いままの状態を維持できます。

長期金利は今後、緩やかに上昇することが予想されます。そして、日銀も金融政策を変更する可能性があります。金利は半年ごとに見直されるため、基本的には長期間放置しても問題ないでしょう。恐らく、金利がピーク圏になるのは数年先だと思います。

もしそこで、固定金利の商品に乗り換えるのを忘れたとしても、元本が割れることはありません。ですので、過度に心配せずに運用することができるのではないでしょうか。

※金利については、記事執筆時点の数値になります。

【動画】深野先生の他の相談もご視聴いただけます!ぜひ併せてご覧ください。

教えてくれたのは……深野 康彦さん

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金まわり全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。著作に『55歳からはじめる長い人生後半戦のお金の習慣』(明日香出版社)、『あなたの毎月分配型投資信託がいよいよ危ない!』(ダイヤモンド社)など
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