なかなか取れない生乾き臭
洗濯物の生乾き臭の原因は“モラクセラ菌”
洗濯物の生乾き臭は、2011年に花王と愛知学院大学の研究によって判明した「モラクセラ菌」が原因です。モラクセラ菌は温度が20~40度、湿度が60%以上で増殖するという性質を持っています。人体にも存在している菌で、人の皮脂を栄養とし、臭いの素となる物質を排出しているのです。モラクセラ菌は通常の洗濯では死滅させることはできず、また紫外線にも強いという性質を持ちます。そのため、モラクセラ菌をつけないことが重要なのです。
1つでも原因があれば洗濯物は臭ってしまう……
洗濯物は皮脂や汗で汚れていて、さらに湿っている状態なので、以下にあげる環境が1つでもあれば臭ってしまいます。そのため、臭いをつけないためにはこれら全てを徹底する必要があるのです。1:脱いだ洗濯物は乾燥状態に
脱いだ洗濯物を洗濯する日まで洗濯機に入れておく人もいますが、これはNGです。風通しが悪い洗濯機の中では、湿っている洗濯物にモラクセラ菌が増殖してしまいます。
脱いだ洗濯物は風通しのいいかごに入れ、汗や雨などで湿っている場合は乾きやすい状態にしておきましょう。
2:洗濯機自体を清潔にしておく
毎回の洗濯が終わったら、洗濯機のふたを閉めずに洗濯槽自体を乾燥させるようにしましょう。その上で、定期的に洗濯機の専用洗剤を使い、洗濯槽を清潔に保つことも重要です。洗濯槽の裏がカビだらけでは、カビ菌も洗濯物についてしまいます。
3:くず取りネットもきれいに保つ
くず取りネットに糸くずが溜まっていると、そこにモラクセラ菌やカビ菌が発生することになります。くず取りネットは、毎回の洗濯後にきれいに保つようにしましょう。くず取りネットの裏にカビが発生していることもあるので、チェックしてください。
4:洗剤、柔軟剤は入れ過ぎNG
「臭いを取りたい」「汚れを落としたい」となると、洗剤や柔軟剤を大量に入れたくなるかもしれませんが、それは逆に臭いの元になってしまいます。必要量以上の洗剤や柔軟剤を入れると、すすいでも洗濯物に残ってしまい、洗濯物が乾きづらくなるためです。
5:酸素系漂白剤を入れて洗濯する
酸素系漂白剤は殺菌効果があるので、洗剤とともに使うことでモラクセラ菌の増殖を防ぐことができます。酸素系漂白剤は40度くらいの温度でよく効果が出るので、温水を使って洗濯するのが理想的です。
6:脱水が終わったらすぐに干す
脱水が終わった後に洗濯槽の中に洗濯物を放置してしまうと、モラクセラ菌が増殖し、一気に臭ってしまいます。脱水が終わったらすぐに干すようにしましょう。
7:とにかく短時間で乾くように干し方などを工夫する
洗濯が終わっても長時間湿っていると、それだけでモラクセラ菌が増殖してしまいます。天日干しの場合も部屋干しの場合も、干し方を工夫する必要があります。以下の干し方を参考にしてください。 ・タオルは二つ折りにせず片方を長く干す
・靴下はセットにせず片方ずつピンチに干す
・パンツ類は中に空気が通るようにピンチを使って干す
・Tシャツなども太めのハンガーを使い空間を作るように干す
部屋干しの場合は、必ず扇風機やサーキュレーターで風を当ててください。風の力で洗濯物の水分が飛び、早く乾くようになります。また、その際換気扇がある場所で乾かすのが理想的です。換気扇によって飛んだ水分が外に出るので、湿度が高くなるのを防ぎ洗濯物がより早く乾くようになります。
モラクセラ菌は高温に弱い
モラクセラ菌は60度以上の熱に弱いといわれています。そのため、生乾き臭が取れない洗濯物には特別な処理が必要となります。高温がNGの素材でない場合は、60~70度程のお湯に1時間ほど漬けおきするようにします。また洗濯マークを確認の上、干すのではなく高温でアイロンをかけて乾かすことでも、モラクセラ菌を減らすことができます。
今回ご紹介した内容のうち、1つでも抜けていると、それが原因で生乾き臭が発生してしまいます。洗濯物の生乾き臭を防ぐために、ぜひ今回ご紹介した方法を試してみてください。