花王「めぐりズム 蒸気でホットアイマスク 無香料 12枚入」 ※画像出典:My Kao Mall
そんな「めぐりズム」のデザインを巡って、先日、花王がある申し立てを行ったとして注目を集めました。
花王のめぐりズムとアイリスオーヤマのアイマスクが……
花王は、生活用品メーカーの「アイリスオーヤマ」が販売している「モイスクル じんわりホットアイマスク」シリーズのデザインが、花王の商品「めぐりズム 蒸気でホットアイマスク」のデザインに類似しているなどとして、2024年7月2日付で、アイリスオーヤマの対象商品の販売などの差し止めを東京地方裁判所に求めました(仮処分の申し立て)。花王が販売などの差し止めを求めた商品は、アイリスオーヤマが販売している以下の4商品です。
・モイスクル じんわりホットアイマスク 5枚入 無香料
・モイスクル じんわりホットアイマスク 10枚入 無香料
・モイスクル じんわりホットアイマスク 5枚入 ラベンダー
・モイスクル じんわりホットアイマスク 10枚入 ラベンダー
アイリスオーヤマ「モイスクル じんわりホットアイマスク 5枚入 無香料」 ※画像出典:アイリスオーヤマ公式サイト
なお、アイリスオーヤマが販売する4つのアイマスクが、花王の「めぐりズム 蒸気でホットアイマスク」のデザインと似ていることでどのような法的問題があるかというと、「めぐりズム 蒸気でホットアイマスク」について花王が保有する「意匠権」を侵害しているかどうかという問題です。
意匠権とは、「新しく、かつ創作することが容易ではないデザイン」を創作した場合に、特許庁に出願し、特許庁による審査を経て意匠登録されることで与えられる独占権のこと。著作権とは異なり、登録されることによって初めて与えられる権利です。
意匠権は商品などのデザインに関する独占的な権利なので、他社の同種の商品などに、同じデザイン、または類似するデザインのものがあれば、その販売などを差し止めることができます。
例えば、私たち一個人が、花王の「めぐりズム 蒸気でホットアイマスク」のデザインを真似て商品を作って販売した場合も、花王の意匠権を侵害していることとなり花王から訴えられる可能性があります。
もしも意匠権を侵害していると認められた場合は、問題となっている商品の販売停止や商品回収のみならず、損害賠償請求を受けることや、刑事罰(10年以下の懲役又は1000万円以下の罰金)を受ける可能性も。
今回、花王は意匠権に基づきアイリスオーヤマのアイマスクの販売差し止めを求めたわけですが、意匠権は、見た目に関する権利ですので、実際に問題となっているそれぞれのデザインを見比べてみたいと思います。
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