人間関係

元セクシー女優だから「ゾーニングすべきでは?」の気持ち悪さ。「差別的で怖い」との声も…(2ページ目)

特定の職業に就く人を「ゾーニングすべきでは?」というネット上の意見について賛否の声があがっている。人を差別する表現としてゾーニングという言葉を使うのは「怖さがある」と、子育て経験のある40代女性は言う。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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元キャバクラ勤務の女性「隠すつもりはないが」

「私は昔、キャバクラで仕事をしていたことがあるんです。別に隠すつもりはないので結婚するとき夫にも話しましたし、後悔もしていません。でも、ママ友の間でキャバクラ嬢を貶めるような発言を聞いたことがあって、さすがにこの場では自分がやっていたとは言えないなと思いました。世の中、そういう人がいるということですよね」

そう言うのはアキコさん(39歳)だ。6歳のひとり娘がいるが、もし彼女がセクシー女優になることを決意したら、それは止めることができないだろうと考えている。

「親には、子どもにこうあってほしいという希望がある。でもそれを押しつけることはできません。子どもであっても別人格だから。セクシー女優さんにも親や家族がいる。他者に中傷されているとわかったら、娘がそういう仕事をしていることより傷つくんじゃないでしょうか。彼女の親の気持ちになったら、コラボするなとかテレビに出るなとかは言えませんよね」

故・飯島愛さんが活躍した20年前は……

かつて飯島愛さんというタレントがいた。1992年にAVデビュー後、そのままテレビの深夜番組に登場、人気者となって2年後にセクシー女優を引退してタレント活動を続けた。2000年に波乱に満ちた人生をつづった自伝的小説を出版して話題になり、以降は作家としても活躍しながら、性感染症の予防活動に尽力した。

この当時、彼女を「排除」しようという空気はまったくなく、当初は男性ファンが多かった彼女には、カミングアウト以降、若い女性ファンが激増した。彼女の人柄がそうさせたのだろう。

20年前は、まだ人には「何でも受け入れる」寛容さが残っていた。寛容さというと飯島愛さんに失礼かもしれない。AV出身だからといって差別するという意識が、一般人には薄かったということだ。あれから何があって、人はこれほどギスギスするようになったのか。そこが不思議でならない。
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