人間関係

妊娠中に“頼りにならない”夫の共通点とは?妻が「この恨みは忘れないからな」と思った出来事(2ページ目)

妊娠中の恨みは深い。その恨みは、その後の夫婦関係に影を落とすことすらある。妻は夫の、非道な、あるいは情けない言動を「ずっと覚えている」ものだから。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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妊娠した妻をどうフォローするのか

結婚してから最初に訪れる夫の試練は、妊娠した妻をどうフォローしていくかということなのかもしれない。

妻が本能的に自身の心身の危機すら感じているとき、パートナーとして何をするのか、どう声をかけるのか。知らず知らずのうちに妻は、そこを評価せざるを得ないのだから。

「うちもブブーって感じでしたね(笑)。妊娠したよと言ったら、ものすごく喜んだところまではよかったんですが、子どもがやってくるなら家をもっときれいにしなくちゃといきなり模様替えをしよう、と。

あのね、流産しやすいこの時期に、私に何をさせる気なの、とブチ切れました。さすがにその後、友だちや自分のきょうだいたちに話を聞いて、いくらか勉強はしたようですが」

アオイさん(38歳)は、過去を思い出しながらそう言った。現在、8歳のひとり娘がいるが、何度も流産しかかってやっと生まれてきた子なのだという。

その間、夫には何度も失望した。安定期といわれる時期に入っても、アオイさんの場合は安定せず、不安との闘いだった。

「それなのに夫は週に1、2回は飲み会だと出かけていた。しまいには飲み会なのに残業だと偽ったことも耳に入っています。同じ職場なんだから、そんな嘘をついても何の意味もないのに」

周りから「早く帰れ」とまで言われたと、当時、夫は帰宅して苦笑していた。子どもがなかなか安定しないのは伝えていたが、夫はその危機感がなかったのだろう。

彼女は在宅で仕事をし、週に1回は出社もしていた。そのたびに違う部署の夫がどう思われているかも耳に入ってきたのだ。夫はもともと人気者だったが、今では「妻の妊娠中に遊び歩いている」と悪い噂もたっていた。

「やっと落ち着いたのは8カ月くらい。そのころやっと私が元気になったので夫もホッとしたようです。結局、私が元気でいないと彼は安心できないんですね。元気な私しか愛せない。それがわかったとき、自分のことしか考えてないんだ、本物の愛ではないと思いましたね」

夫が頼りになったことはない

結局、彼女は早めの時期に緊急の帝王切開での出産となった。平日の夜、家で体調がおかしくなったのだが、夫には連絡がつかず、隣の家の夫婦が病院まで送り届けてくれた。

「情けないですよねえ。出産するまで、夫がいてよかったと思ったことはほぼありませんから。出産後、娘を猫かわいがりする夫には違和感ばかり覚えてきました」

ただ、どうやら娘のことはきちんと愛しているようだ。そして娘を産んでくれてありがとうと、娘の誕生日のたびに夫はアオイさんに言う。

「それでも私はあの時期のことは一生、忘れません。どういう方法かはわからないけど、いつかわからせてやりたいとも思ってる。私が執念深いのか、夫の無自覚な言動がひどかったのかはわかりませんが……」

“わからせてやる”方法は未定だが、それだけ彼女の恨みは深いということなのだろう。あのころ、夫がわからないなりに、「僕がどうすればきみは楽になる?」「何をしてほしい?」と聞いてくれれば、今のような恨みを持つことはなかっただろうとアオイさんは言った。
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