プロフェッショナルなデザイナーと共に描く「邸宅設計」
「邸宅設計」は、住友林業で2014年からスタートしたプロジェクトです。今年で10周年を迎え、さらに進化しました。今回は、設計統括部 満田憲司(ミツダケンジ)、矢作真一郎(ヤハギシンイチロウ)、林千鶴(ハヤシチヅル)の3名が、プロジェクトの詳細を紹介します。
矢作「プロジェクト開始から10年が経ち、従来の住宅よりもクオリティの高い“邸宅”を求めるお客様が増えたことを背景に、ニーズに応えつつ、プロジェクトを全国に広域化しています。
住友林業の家づくりは、基本的に営業や生産・デザイナーなど専任チームで担当する『自由設計』で行われます。『邸宅設計』においても、取り組み方や業務のフローは変わりませんが、設計提案や使用する素材・施工など、あらゆる面で求められる内容の難易度が高いことが特徴です」
林「通常では扱わないような素材を使うこともあり、経験や商品知識のレベルアップが要求されます。『邸宅設計』では、スキルや対応力の高いチーフデザイナーが、設計やデザインの中心となっています」
体験や感動を住まいで再現する
この10年で、一人一人のお客様のご要望に寄り添った「邸宅設計」が求められるようになった理由のひとつは、コロナ禍による価値観の変化です。
林「『邸宅設計』がスタートした2014年当初は、どんな商品でも高級・高品質でプレミアム感があるものが求められるという時代でした。それが徐々に、あの有名な職人が手掛けた……など、ラグジュアリーな希少価値を求められるようになってきました。
そしてコロナ禍では、海外旅行や高級ホテルの宿泊、ハイブランドでの買い物など、わくわくする体験が難しい日々が続きました。巣ごもり需要が増え、叶えたかった素敵な体験を家で実現したいというご希望が多くなりました。
そしてこれから先は、高級で希少価値があるだけではなく、その方だけが体験できる特別な感動や、満足感が得られる“リュクス”という考え方が一般的になる時代がやってきます」
満田「それは家についても同じで、固定化したプランではなく、お客様の個性や価値観をどう活かして形にするかが重要になってきます。住友林業としても、豊かな暮らしと時間、人生をデザインできる家づくりを実現する体制が求められています」
その体制を整えるために大きなポイントとなるのが、邸宅設計の核となるチーフデザイナーの育成です。ここ数年、特に力を入れてきた人材育成について紹介しましょう。
より厳しい選抜基準で研修を行い、チーフデザイナーを育成
チーフデザイナーと呼ばれるメンバーは、デザイナーの中から、業績と経験値で数値目標をクリアしているかなど、住友林業ならではの基準で認定されます。林「これまでも各部門で、建築家など専門家の講義やマスターデザイナーとの勉強会、物件の見学会といったさまざまな研修がありました。ここ数年は、認定されてチーフとなったからには、自分が成長するだけでなく次世代を育てていくということもより重視しています。
定期的にトップクラスのデザイナーを各支店から集めて、スキルの研鑽だけに留まらず、社会情勢や企業が考えるべきことなども含め、幅の広い研修を行っています。学んだものを支店に持ち帰り、全員に共有して全体のレベルアップにつなげます」
矢作「従来からの“学び”だけでなく、“体験”や“考えること”を大切にした研修を行っています。厳しい研修と審査を経て認定されたチーフデザイナーたちには、これからの住まいを考えるという未来を見据えたプログラムなども用意。自発的にビジョンを描けるデザイナーが、邸宅設計を担うキーパーソンとして頭角を現す仕組みです」
チーフデザイナーに認定されるには、スキルだけでなくチームとして力が発揮できているかが非常に重要で、人物像や人間力も含めて多面評価されます。
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