母親が「きれいなアラ還」でモテモテ
「うちの母、62歳になるんですが、つい先日も絵画教室で、一緒に習っている10歳年上の男性に“告白”されたんですって。でも怒ってるんですよ。『あんなおじいさんと私が付き合うとでも思っているのかしら』と。さすがバブル世代の女ですよね(笑)」そう言って苦笑するハルカさん(35歳)。5年前にハルカさんの父が亡くなり、それ以来、母は水を得た魚のように生き生きと世間を泳いでいるという。
「両親は仲がいいように見えたんですが、おそらく父が母をつなぎとめていたんでしょうね。母はもともと恋多き女で、父はそれを知っていながら結婚した。私は10年以上前に実家を出てひとり暮らしを始めたから、その後の両親のありようをよく知らないけど、母は時々『お父さんが過干渉、嫉妬深くて困る』とは言っていました」
娘相手にモテ自慢、マウントをとる母
それでもそんな父がいなくなった直後は、さすがの母も意気消沈していたそう。だが数カ月も経たないうちに立ち直り、パート仕事に習い事に、友だちとの旅行にと精力的に動き始めた。「私は姉がいるんですが、結婚して遠方で暮らしているので、母は何かあると私に連絡してくる。時々一緒に食事をすることもありますが、母の自慢はナンパされただの結婚を申し込まれただの、そういうことばかり。『私、あなたよりモテるわよね』って。それがそんなにうれしいことなのかどうかわからないけど、そんなことで娘相手にマウントとって楽しいかと言ってやりました」
すると母は、「あなたもそろそろ女として考えなくちゃ」と説教を始める。仕事が楽しいというハルカさんに、母は否定的だ。
「つい先日は、『ねえ、整形してみる?』と言い出した。きれいになれば人生観が変わるわよって。別に私、自分の顔にコンプレックスを感じてはいないし、顔なんてついていればいいじゃないですか。どうして母がそこまで娘の顔にこだわるのかさっぱりわからない。『製造者責任ってやつかしらね。あなたがモテないのは私のせいみたいな気になるから』って。失礼ですよね、いくらなんでも」
夫の死後、メイク教室に通い、ヨガにはまって美を追究してきた母を、ハルカさんは否定しない。だが、自分とは違うとはっきり感じている。
>美をまき散らす母親のエピソード