妻が食事を作らない
仕事の関係で帰宅がほぼ夜11時くらいになってしまうというマサトさん(42歳)。3年前に結婚した、一回り年下のユキコさんも日々忙しく働いている。「新婚時に話し合っておけばよかったんですけど、何も決めないままに生活を始めてしまったんです。ただ、彼女は定時で帰れる日も比較的多い仕事だから、夕飯くらいは作ってくれるものと思っていた」
彼が仕事で遅くなるのは、ユキコさんもわかっていたはず。だが、新婚生活が始まったとき、彼が帰宅するとテーブルの上には何もなかった。食事くらい自分でやれということかと思い、外食をしたりコンビニで何か買って帰ったりもしたが、炊飯器の中にいつもごはんがない。
「1週間くらい経ったとき、食事はどうしてるのと聞いたら、外で食べてくるか自分で作って食べてるという話。だったら僕の分も作ってくれないかなと言ったら、翌日からテーブルの上にスーパーで買った惣菜がパックのまま置いてあるようになった。ついでにパックのごはんも。味気ないですよね」
妻は洗濯も掃除もしない
その後、ユキコさんの勤務先では働き方が見直され、リモートワークがかなり自由にできるようになったが、ユキコさん自身は出社を選択している。その話を聞いたとき、マサトさんは「オレならリモートを選ぶなあ」と言った。彼自身はリモートではできない仕事に就いているから、なおさら羨ましかった。「オンとオフがはっきりしなくなるのが嫌だとユキコは言っていましたが、自宅にいて通勤時間が減ると、自分が家事をやらなくてはいけなくなると恐れているのではないかと僕には思えた。洗濯物だって山になるまでやらないし、もちろん掃除もしない。僕も最初が肝心だと友人に言われたので、家事に手を出さなかったんですが、結局、僕のほうが洗濯物の山に耐えきれなかった。掃除も同様です。夜中に洗濯機を回しながら、拭き掃除をすることもしょっちゅうです」
1カ月ほど経って、「ユキコは家事を一切やらないつもりなの?」と聞いてみると、「やってるよ」という答えが返ってきた。何をしているのか問おうとしたら、彼女は自室へと引き上げていった。
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