起きると「今日のご機嫌は?」と言う夫
あからさまにご機嫌伺いをする夫もいる。「うちの夫は朝起きて顔を合わせると、私をじっと見て『今日のご機嫌は?』と言うんです。『その一言を聞くと、イラッとする』と答えています(笑)」
マミさん(39歳)は、8歳を頭に3人の子をもつパート主婦。とにかく忙しい日々の中、今は自分の時間をもてなくてもしかたがないと思いつつ、飲んで帰ってくる夫をちょっと羨ましく思うこともあると苦笑した。
「夫は飲んで帰ると、ものすごくこっそり玄関を開けるんですよ。狭い家なんだから、こっそり開けてもわかる。リビングで待ち受けて『お帰り』というと、ウワッと大げさに驚いて『ごめん。機嫌悪いよね』って。別に夫が飲んできたくらいで機嫌が悪くなったりしませんよ、見くびらないでと言ったら、やっぱり機嫌悪いじゃんって。そういう言い方が嫌なんですよね、夫にはまったく伝わらないけど」
必要以上に妻が怖いフリをするな、私はどうでもいいことでは怒らないと言ったこともある。だが、その言い分がよけい夫の恐怖心を煽ったのかもしれない。
「いちいちくだらないことを言うんですよね、夫は(笑)。3人の子を育てていれば、嫌でも度胸が据わりますよ。だからといって、のべつまくなしに不機嫌をまき散らすようなことをしていたら、子どもなんか育てていられない。私の機嫌より、大事なのは子どもの健康と心。そういうことがわかってないなあと思います」
こっちは毎日、人間の命と向き合って暮らしてる。あなただってそうあるべきでしょと言うと、夫は「そんなふうに考えたら怖くて生活できない」とつぶやいた。覚悟のできている妻と、なんとなく父親として過ごしてきた夫の違いが見てとれる。
いい人だけどネガティブ発言が多い夫
「夫は気のいい人なんです。それはわかってるし、彼の長所でもある。だから夫はそのままでいい。でも私をディスるような発言はやめてほしいということなんです」時間のない中、それでもマミさんは子どもがピアノを習い始めたのを機に、自分も少し練習するようになった。小学生のころ習っていたことがあるのだ。だがまったく指が動かない。それを見ていた夫は、「不調だね」と一言。これもまた彼女の神経を逆なでした。
「気がいいのに、なぜかポロリとネガティブ発言をすることがある。好調だの不調だの、そういう決めつけ方はしないでほしい。誰でも希望を持って未来に進んでいくのが人間なんだからと言ったら、『気分害した?』と怯えられました」
ごくまっとうな前向き思考をもつ妻が、夫から見るとやはり「ついていけない」「怖い」ということになるのだろうか。
元気な妻たちと、そんな妻たちの機嫌を必要以上に気にする夫たち。なかなか歩調は合わないようだ。