人間関係

「惰性で続けてきた友人」「盆暮れだけの単なる付き合い」、人間関係の“終活”に50代の本音

急逝した俳優・中尾彬さんは生前「終活」に取り組み、人間関係についても「整理」していたという。これまでの「人付き合い」を整理する際には、何を基準にするべきなのだろうか。50代女性たちが考える本音にはヒントが多い。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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「終活」として人間関係を整理するとき、何を基準にするべきか

俳優の中尾彬さんが急逝した。81歳。妻で女優の池波志乃さんと「終活」に取り組んでいたのは有名な話だ。別荘やアトリエを始め、さまざまな所有物を処分し、生前に墓も用意した。このとき人間関係も見直し、「整理」したという。確かに年齢によって付き合う人たちは変わっていく。

すべての人間関係を引きずったまま生活したほうがいいのか、距離を置いて整理していったほうがいいのか。そして人間関係の見直しや整理は、何を基準にするべきなのだろうか。

50代後半になって

「まだ現実的に終活をしているという意識はありませんが、気づけばいろいろなものを整理していっているような気がします」

そう言うのはカオルさん(58歳)だ。結婚して30年、下の子も昨春独立し、夫婦ふたりきりの生活になった。

「2歳年上の夫とはそこそこ仲がいいんですが、定年も迎えることだし、もうちょっとシンプルに暮らしていこうという話はしました。一軒家を処分して手頃なマンション暮らしとも思ったけど、まあ、それはもう少しあとでいいか、と。まずは家の中を整理し、子どもたちにも聞きながら、家族の衣類はかなり断捨離しました」

だがもちろん、子どもたちの成長の証である文集やアルバムなどは捨てられなかった。それは子どもたちに任せるつもりだ。

「惰性」で付き合い続けてきた友人もいる

「子どもたちが小さいころからのママ友たちと今も付き合いがあるんです。だけど実は惰性で付き合っているグループもあった。本当に大事な友だちと一緒に過ごす時間を大事にしたいと思ったので、惰性のママ友たちとはあまり会わなくなりました」

夫婦同士で付き合っている友人たちも多かった。ふたりで始めたテニスで知り合った人たち、夫の友人夫婦との付き合いなども少なくなかったが、誰とどのくらいの頻度で会いたいか、ふたりはゆっくり話し合った。

「夫の友人たちの一部とは、私はもう会わなくてもいいやと思っていたし、夫も私の友人関係では離れたい相手もいたみたい。今後は、相手に気を遣うより自分が会いたい人に会うようにしようと決めたんです」

あちこちに顔を出し、たくさん友人を作って週末は多忙を極めていた時期もあったが、これからは「ふたりの時間」と「ひとりの時間」を大事にしたいという点で一致したという。

>「単なる付き合い」を整理する人も
 
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