亀山早苗の恋愛コラム

「結婚して子どもを産む」王道から外れて生きる38歳、自分らしい生き方を貫く鋼のメンタル

「結婚して子どもを持つのが幸せ」という価値観はいまだ根強い。しかしそこには、離婚をして経済的に立ち行かなくなる可能性だってある。結婚をせず子どもを持たない幸せもあるし、その選択は自由だ。その選択を他人がとやかく言うものではない。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

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結婚せずに自立して何が悪い? ヘンな人扱いされても貫くには“強さ”が必要?

結婚せずに自立して何が悪い? ヘンな人扱いされても貫くには“強さ”が必要?

婚姻数も子どもの数も減少してはいるが、男女を問わず、今もやはり「結婚して子どもを持って一人前」「結婚するのが“普通の”幸せ」という価値観は根強い。その「王道」からはずれて生きるには、鋼のメンタルを持っていなければいけないのかもしれない。  

結婚という「王道」から外れる生き方

「私はもともと結婚願望などほとんどなかったんですが、わが家はなぜか両親も姉も結婚するのが一番という考え方でした。だから実家にいるときはつらかったですね」

そう言うのはアキコさん(38歳)だ。大学進学を機に上京し、これで自由だと思ったのもつかの間、30歳を前に学生時代の友人たちがバタバタと結婚していった。

「2歳違いの姉は26歳で結婚して子どもがふたりいて、いつも幸せとつぶやいていたし、結婚していった友人たちも幸せそうに見えた。でも私はいつも、“幸せ”そのものがどういう状態なのかがわからなかったんです。他人の目から見た“幸せ”なんて意味がないし、私自身、幸せという状態がわからない以上、求めてもいないわけだし……」

学生時代も社会人になってからも恋愛はした。だがのめり込むことはなかった。常にアキコさんは自分自身のための時間を優先させた。彼のために「待つ」などはまっぴらだと思っていた。

「社会人になってから、新たな目標ができたんです。資格をとってスキルアップし、30歳のときに満を持して転職しました。さらに上を目指して頑張ってきた。私には仕事がいちばんおもしろかったし、もっといえば今後、起業も考えています。そのためにも時間を無駄にはできない」

誰かのためではなく、自分だけのために時間と労力を使う。そしていつか社会に自分の時間やスキルを還元したい。彼女はそう思っているという。

「幸せ」な姉の結婚生活が破綻

「実は5年前に、姉が離婚したんですよ。あんなに幸せだと言い切っていたのに、信じていた夫に別に好きな人ができたんだそう。しかも彼の言い分がすごいんです。『きみはいい奥さんだったかもしれないけど、人生を一緒に歩んでいくにはつまらなかった』って。名言だと思ってしまった……。

姉はいい母、いい妻でありたかったんでしょう。それはそれでいいんですが、姉の夫はそういうものを求めていなかった。姉は『私は女としてあんたより上等、結婚くらいしてみなさいよ』としょっちゅう言ってた。そこに唯一の価値があると思っていた。だから離婚後は悲惨でしたよ」

子どもを連れて実家に戻り、親のすねをかじりながらの生活をしていた。さすがの両親もこのままではいけないと思ったのだろう。姉は仕事を探すことになったが、なかなか見つからなかったという。

>幸せのあり方は多様である
 
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