家に戻ってきたのはいいけれど
今年のゴールデンウィーク初日に出産を終えて、赤ちゃんとともに退院したサエリさん(38歳)。8歳と6歳の子がいるので、少し間を置いての第3子となった。「夫が迎えに来てくれたのはいいんですが、ひとりだったんですよ。上の子たちも来るはずだったのにどうしたのと言ったら、『朝、いきなりおふくろがやってきたから見ててもらってる』と。思わず『えーっ』と声が出てしまいました。『まあ、苦手なのはわかるけど、ちょうどいいじゃん、手伝ってもらえるから』と夫は言いましたが、こっちが気を遣わなければいけないのは明らか。産後、自宅に戻って気を遣うのは嫌だなあとため息がでました」
すると夫は、「こっちだってせっかくのゴールデンウィークに、どこにも行けずに子守なんて、やってられないよ」とつぶやいた。え、自分の子が生まれたのに? サエリさんがそう反論すると「なんだか間が悪いってこと。連休明けに産めばよかったのに」と夫は事もなげに言った。そんな簡単にコントロールできるものではないし、する気もなかった。すでにふたりの子がいるのだからわかっているはずなのに。
帰宅するなり義母は言う「待ってたわよ、跡取り」
車中の雰囲気が険悪になりかけたころ、自宅に到着。ゆっくりと車を降り、子どもを抱いて家に入ろうとすると、中から義母が飛び出してきた。「お帰りなさい」
そこまではよかった。だが次の一言がサエリさんを怒らせる。
「ようやく男の子を産んでくれたのね。待ってたわよ、跡取り」
その言葉に彼女は反論する。
「跡取りというほどの家系でもないですよね。単に3人目が男の子だっただけ。上のふたりの女の子とまったく変わらない、大事な子ですと、うっかり切り口上で言ってしまって……。夫がアワアワしながら『サエリも疲れてるからさ、早く家に入ろう』と場をおさめてくれました」
後ろで義母の舌打ちが聞こえ、サエリさんは驚いたという。
>勝手くつろぎ、何もせず帰った義母