JR東日本がカスハラに対応しないという姿勢を打ち出した。
「お客様は神様」という絶対的な価値観から逃れなければ、社員や従業員を守っていけないと判断したのだ。サービス業がこうした対応をしていくのは、当然の流れかもしれない。
公共の場で大声を出す高齢男性の言い分
「先日遭遇したのは、とある商業施設での子ども向けイベントで主催者をなじる高齢男性。イベント前から行列ができていたんですが、どうも管理体制がきちんとしていなかったようで、直前になって『こちらに並び直してください』ということになり、最初に来ていた人たちが後ろのほうになってしまった。それはないでしょという感じですよね」サトコさん(38歳)が出かけたのは、大規模ではないイベントだったが、それゆえに主催者側が混雑を予測しきれなかったようだ。6歳と4歳の子を連れていったサトコさんだが、列の並び直しにともなって子どもたちがしびれを切らした。
「せっかく行ったけど帰ろうかと思っているとき、前のほうで『ふざけんな』という怒号が聞こえたんです。見ると孫を連れたらしい高齢男性が『こっちは最初から並んでるんだ』とスタッフに詰め寄ってる。まあ、そりゃ怒るよねと思ったけど、『だいたいおまえら、誰のおかげで(飯が)食えてんだ』と言いだして、あらら……と」
高齢男性「俺はそもそも中央の人間だ」
そのうちにおまえじゃ話にならない、責任者を出せだのSNSで拡散してやるだのと脅迫まがいの言葉の数々が乱れ飛んだ。その高齢男性の「悪意をまき散らす言動」に我慢ができなくなったサトコさん、つい前に出て行って「主催者に落ち度はあるけど、そんなに怒ることもないでしょうが」と言ってしまった。「そういうことをうっかり言っちゃうのが私の悪い癖なんですが、何人もで頭を下げ続けるスタッフが気の毒になっちゃって」
その男性、「俺はそもそも中央の人間だ」とも言っていたそう。官僚でもしていたのだろうか。とはいえ、イベント会場でどういう自慢なのかとさすがに周りからも冷笑が漏れたそうだ。
「おじいちゃん、孫の前で虚勢を張りたかったのか、ずっとそうやって生きてきたのか。わからないけど高齢男性が威張り倒すのは嫌な光景でした」
高齢になると怒りのストッパーがはずれてしまうというが、いくつになっても社会的存在でありたいものだ。
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