大雑把すぎて笑えない妻の家事
逆に妻が大雑把、「言い換えればがさつ」で、もはや想像を超えていると言うコウタさん(41歳)。「僕も神経質なタイプではないので、最初はそれほど気にならなかったんですが、子どもができてからはやはり少し教育上のこととか考えてしまって……」
妻は洗濯物を取り込むと部屋の片隅に山のように置いておく。畳まないのだ。コウタさんが畳んでおくことにしているが、うっかりすると山がどんどん大きくなっていく。最近は8歳になる娘がせっせと畳むこともある。
「料理も大雑把なんです。野菜なんか大きなままだし、玉ネギ薄切りといっても四つ切りだし(笑)。買ってきた惣菜はパックのまま。手を抜くのはいいんだけど、せめて皿に盛ろうよと言うと洗い物が増えると。皿1枚くらい増えてもいいよ、僕が洗うよと言っても、合理的じゃないでしょって。そこは合理性の問題じゃなくて、おいしく食べるかどうかの問題だよといつも言い争いになります」
ストレートな物言いも配慮に欠ける妻
家事以上に彼が不安を覚えているのが、妻が「人の気持ちを想像しない」こと。物の言い方がストレートすぎて、人を傷つけがちなのだ。たとえば娘が一生懸命にお皿を洗ってくれたとき、「ありがとう」の前に「こんなんじゃダメよー、洗い直しするしかないじゃん」と軽く言ってしまうのだ。それは確かなのだが、まずは一生懸命やった娘に「ありがとう」と言うべきだとコウタさんは考える。「黙って娘の見ていないところで、洗い直ししてもいいと思うんですよ。次に娘が洗ってくれるときに、こういうふうにやるときれいになるよと教えればいいんだし。その場でダメ出しは娘の気持ちを無視していることにつながる」
だが妻は、何でもストレートに率直に、が信条。人の気持ちを深読みすることもないし、大人同士なら付き合いやすいともいえるが、一方で不躾過ぎる、図々しいと思われることもある。
「十人十色、人が自分の言葉をどう受け止めるかは個人差が大きい。でも一応、相手がどう思うかを考えながら生きていったほうがいい。妻は自分を率直なだけというけど、それは自己中心的だとも言えるんですよね」
神経質も大雑把も、度を超えればただのワガママに通じるのかもしれない。相手と自分の違いをわかった上で、お互いに無理のない範囲で歩み寄っていくしかないのかもしれない。