人間関係

「大学生になっても毎日持ち物チェックを…」毒親から自立できない37歳、闇が深い母娘の関係

母親は自分の娘を監視するような行動にでたり、無断で30歳ほど年上の近所の男性との結婚話をまとめてきたりするような人だ。娘を「できそこないと言われたくない」が口癖だった。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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幼少期から過干渉で抑圧的な母のもとで育ち、自己肯定感が異常に低いと本人は言う

幼少期から過干渉で抑圧的な母のもとで育ち、自己肯定感が異常に低いと本人は言う

母と娘の関係は、うまくいっているように見えても複雑で闇が深いことがある。世間体を考えてか、表向きは「母とは仲がいい」ことにしている人もいるほど。ナツキさん(37歳)もそのひとりだ。  

「できそこない」と言われたくなかった母

ナツキさんは、母が40歳近くなってからできたひとりっ子だった。そのためか、子どものころから「お母さんは、あなたができそこないだと言われたくないの」というのが母の口癖だった。

「今思えば、妙な言い方ですよね。むしろ、母自身ができそこないだと言われたくないだけの話。そもそも、自分の子だとしても、人に『できそこない』という言葉を使うのはどうなんだろうと思うし」

苦笑するナツキさんだが、母の過干渉は相当なものだったようだ。翌日の持ち物を、前日夜にひとつひとつ声に出しながら確認させられる行為は、社会人になってからも続いていた。

「小学生ならまだしもね。中学に入ったときに、これからはひとりでやるからと言ったら、母が『だめ、あなたにできるはずがない』って。そういう言葉を投げつけられるから、私は自己肯定感が異常に低い。高校生になっても大学生になっても、前日夜、母の目の前で『ハンカチ、ティッシュ、テキストは何冊で、どういう教科なのか、そして体操着。他にはこういうものを持っていく』とひとつひとつ確認するんです。友だちに借りた本を返すとか、貸すCDを持って行くとか、そういうときもいちいちチェック。バカみたいですよね」

大学生の娘に持ち物チェックを続けて

日々のスケジュール確認も、大学生になっても続いた。講義の帰りにばったり友だちに会い、学内のカフェに行くのも母の許可をとってからだった。

「面倒になってやめたこともあるんです。友だちとお茶して、その後、黙って映画を観に行ったこともある。帰宅は9時ごろでしたかね。母は駅で待っていました。夕方6時頃からずっと立っていたそうです。近所の人も目撃していたとか」

決して体が丈夫ではなかった母は、その後、数日間、寝込んでしまった。父にすべて話したが、父は「そういう人なんだから、頼むよ」と言っただけだ。そのように夫婦関係が希薄だから、ナツキさんは母の精神安定剤とならざるを得なかったのだろう。

>社会人になっても母は止まらなかった
 
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