川勝知事、舌禍事件で辞任表明
撤回の意志はもちろんなく、「メディアがそこだけ切り取って表に出すから」とメディアに責任転嫁する場面もあった。撤回はしないと言いながら、6月の辞任を表明した。ところが5日になって、「職業差別と受け取られかねないところは削除、撤回する」と修正発言を行い、8日には辞職を早める意向を示し10日に退職届を提出した。
川勝知事の生家は代々、農業を営んできたらしい。第一次産業の重要性を誰よりも知っているはずの知事が、どうしてこういう発言をするに至るのか不思議でならない。
川勝知事は以前から、差別的などの問題発言が多かった。2021年には、女子大学生について「顔のきれいな子はあまり賢いことを言わないと、なんとなく、もうきれいになる」と言って騒ぎとなった。いまひとつ意味がわかりづらいのだが、「きれいな子は賢いことを言わない」ということなのか、あるいは「きれいなら賢いことを言わないほうがいい」という意味なのか、はたまた「きれいな子は賢いことを言わないから、ますますきれいになる」なのか。いずれにしても、容姿の美醜と知性に相関関係があると言いたいのだろう。
「あちら(御殿場)にはコシヒカリしかない」
同じ2021年には、静岡県の補欠選挙で元静岡県御殿場市長の候補者を念頭に「あちら(御殿場)にはコシヒカリしかない。米だけ食べてる」と発言。このとき辞職勧告を受けて、12月の給与とボーナスを返上すると言ったが、返上していないことが発覚している。23年には、県議会に諮ってもいない三島市の文化施設を作る構想を外部団体には「ツメの段階」と説明していたこともあった。
そして2024年3月には、磐田市を拠点とする女子サッカーチームの選手たちとの懇談で「磐田は文化が高い。浜松より元々高かった」「やっぱり男の子はお母さんに育てられる」と言って騒ぎとなった。
いずれの場合も、知事は数日後には謝罪している。今回のように撤回しないと言いながら翌日には撤回することもある。
彼の発言は、片方を持ち上げるためにもう一方を下げることで差別になる場合、自分勝手な思い込みとその場の空気で軽率に言ってしまう場合など、比較的わかりやすいパターンに終始する。つまりは、深くものを考えていない人なのではないかと疑念を感じさせられるのだ。
こういう発言が、この年齢の男性特有のものなのかどうかはわからないし、同じ世代でも個人差は大きいと思われるが、いわゆる「アップデートされていない」のは確かだ。一般の人でも職場や家庭で、こういう発言に怒りを覚えることはあるだろう。
>義父の問題発言に悩む40代女性の声