70代がNISAを始める時に考慮すべきこと
70代の方がNISAを利用するかどうかは、その人の家計状況や目標などによって異なります。一般的には、NISAは長期的な資産形成やリタイアメントプランに適しているとされていますが、70代の場合、以下の点を考慮する必要があります。(1)投資目的
本来、NISAは将来の資産形成を目指すための制度であり、長期的に資産を運用することが求められます。70代の場合、投資目的が将来の贈与や相続、インフレ対策であれば、NISAは有益な選択肢となります。
(2)リスク許容度
リスク許容度とは、投資時に許容できる損失の度合いのことを指します。一般的に、高齢者になるとリスクを許容しにくくなる傾向があります。現役時代に比べて収入源が年金などに限られ、損失を取り返すことが難しいからです。
(3)家計状況の把握
生活費を投資に充てるわけにはいかないので、収入と今後の支出を確認しながら、いくらまでなら投資に充てることができるかを確認しましょう。また、70代になると健康状態やライフスタイルが変化する可能性が高まります。そのため、定期的に家計状況を把握し、将来の医療費や介護費などのリスクに備えることが重要です。
(4)リスク分散
70代は一般的に収入が減少し、将来の医療費の増加に備える必要があります。そのため、リスク許容度を適切に評価し、投資ポートフォリオをリスク資産と安定した資産でバランス良く構築することが重要です。
(5)口座開設時の年齢制限
証券会社によって異なりますが、口座開設時の上限年齢が75~80歳と定められています。また、自分の判断能力に自信がなくなった時には口座を閉じることも検討しましょう。
70代がNISAを始める時にやっておくと安心なこと
ここまで述べたように、70代がNISAを利用する際には投資目的やリスク許容度など、考慮すべきことがたくさんあります。全てを一人で考えるのではなく、以下のように専門家などの力を借りることも検討しましょう。(1)専門家の助言の活用
資産運用に関する専門家やファイナンシャルプランナーの助言を受けることで、家計状況や目標に合った適切な投資プランを立てることができます。また、年齢とともに健康や認知機能に不安を感じるようになったら、相続を見据え金融商品の整理を徐々に進めることも視野にいれておきましょう。
(2)家族の同席
NISAを始める時には家族にその旨を伝え、口座開設や商品選択の時など、可能な限り家族が同席すると安心でしょう。
総合的に考えると、70代の方がNISAを利用する場合は、贈与や相続、インフレ対策を目指す場合が主となります。上記を考慮し、リスクや費用、家計状況などを慎重に検討しましょう。また、専門家や家族の助言を受けることも大切です。
【関連記事をチェック】
70代の親が新NISAに興味を持っています。ネット証券での運用をすすめるべきですか?
40代と70代ではこんなに違う!お金のジェネレーションギャップ
老後破綻を招く?親世代とのお金観の違い4つ