家計簿・家計管理

40代と70代ではこんなに違う!お金のジェネレーションギャップ

戦後の第一次ベビーブームである1947年(昭和22年)~1949年(昭和24年)生まれの人は「団塊の世代」と呼ばれ、70代の多くを占めます。そして団塊の世代の子どもであり、第二次ベビーブームの1971年(昭和46年)~1974年(昭和49年)生まれの人は「団塊ジュニア」と呼ばれ、40代後半から50代前半にあたります。今回は、70代と40代における“お金のジェネレーションギャップ”についてお伝えします。

二宮 清子

執筆者:二宮 清子

家計簿・家計管理ガイド

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40代と70代のお金のジェネレーションギャップ

70代の団塊世代とその子どもである40代後半の団塊ジュニア、どちらも非常に人口の多い年代です。しかし、戦後から高度成長期を過ごしてきた70代と、バブルも知らず就職氷河期を経験した40代世代では、親子とはいえ「お金」や「生き方」に対する考え方も大きく異なります。

特に「老後資金2000万円問題」が取り沙汰されて以来、親と同じようなお金の扱い方ではいけないのではないか?お金の管理ついても、柔軟に考える必要があるのではないか?といった、不安や疑問を抱えている人も少なくないのではないでしょうか。

では、具体的に70代の団塊世代と40代後半の団塊ジュニア世代では、どのように「お金」にまつわる考え方が違うのか考えてみましょう。
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70代と40代のお金にまつわる世代間の違いとは?

 

資産運用:70代は「ギャンブル」、40代は「資産形成」

70代の資産運用は株式が中心で、先物取引や不動産投資で大失敗した話を聞くこともあるでしょう。このように団塊世代の資産運用は大金を一度に投じる方法なので、成功すれば大きく儲かりますが、失敗した時は失うお金も大きく、まさにギャンブルでした。

しかし、団塊ジュニア世代は「資産運用」ではなく「資産形成」です。毎月一定額の金融商品をコツコツと購入していく、積立投資がメインになります。「長期・少額・分散」を配慮した資産運用です。「つみたてNISA」や「iDeCo」といった国の制度が整っているので、未経験の方でも毎月5000円や1万円といった少額から始める人が増えています。

親に資産運用をしていると伝えた途端、拒絶反応を示すことがあるかもしれません。それは、まさにギャンブル的な手法しか知らないからであり、親が子を心配するのは仕方のない反応だと肝に銘じ、柔軟に対応するようにしていきましょう。
 

働き方:70代の妻は「専業主婦」、40代は「共働き」

70代は「男は仕事、女は家庭」といった考え方が極めて強く、さらに高度成長期は妻が専業主婦でも困らないくらいに夫の収入が増え、終身雇用制度や退職金制度がしっかりありました。従って、結婚して子どもを授かり、教育費・マイホーム購入・老後資金という、当たり前のライフイベントに対してもお金を準備することができました。

しかし、同じことを40代がやろうとすると、子どもが大学に進学するあたりで赤字家計に陥り、破綻してしまう場合があります。原因は収入が増えないことにつきます。

親の世代で多かった専業主婦、そこから少しだけ収入が増える働き方にあたる「扶養の範囲内で働く」というようなやり方ではなく、「夫婦二人で正社員並み」に稼がなければ、三大資金(教育費・マイホーム購入費・老後資金)を準備することが難しい状況です。

夫婦で正社員となれば世帯年収が1000万円越も難しくないため、いろんなことを実現することができるようになります。しかし、そのためには家事・育児・介護といった、これまで女性が主に担っていたことを夫婦で協力し、取り組むことが必要になります。

また、それらによって離職してキャリアや収入が途切れる、ということがないように、夫婦でしっかり話し合いながら、仕事とのバランスを取ることが大切になります。育児や介護においても、国の社会保障体制が整いつつあるので、制度を賢く活用していくとよいでしょう。
 

価値観:70代は「物重視」、40代は「断捨離」

70代は戦後の物の少ない時代を経験しているので、物は捨てることなく大切にします。さらに高度成長期には「三種の神器(冷蔵庫、洗濯機、白黒テレビ)」や「3C(カラーテレビ、クーラー、自動車)」といった「物を持つ」こと自体が「豊かさ」の象徴だったので、買うばかりで捨てられず、自宅は物に溢れ、「実家の片付け」に難儀する40代が多くなっています。

しかし最近は、「断捨離」がブームになったように、物を捨ててシンプルに暮らしたいという人が増えています。40代は物に溢れた時代に育っているからこそ、物以外で豊かさを感じたいと「モノ消費からコト消費へ」と価値観が変化しています。

この価値観の変化は「持ち家より賃貸」「車はカーシェア」というように、若くなるほど顕著に表れています。物は保有するだけで、税金やコスト、手間がかかるものです。それでも保有することが幸せなのか考えましょう。

私自身、非常に難儀している物が「着物」です。昔の一戸建てのように桐ダンスはないので、保管が難しく、バッグや草履といった小物も少なくありません。今後袖を通すことはないであろう着物の扱いが非常に悩ましく、成人式をはじめ着物はレンタルがいいと個人的には思っています。
 

親の介護:70代は「自宅」、40代は「施設」

70代は自分の親を自宅で介護するのが当たり前だったと思います。しかし、2000年の介護保険制度の改正以降、介護は家族だけではなく、社会全体で支え合うという仕組みに変わってきました。

40代になると親は高齢になり、介護が目前という方も少なくないでしょう。私の場合、母親は在宅介護、父親は施設入所でした。母は私が20代の時に要介護状態になったため、私自身の知識や経験も少なく、さらに親の面倒は子どもがみるものという考え方が先行し、在宅介護でした。

介護離職を経験し、夫に窮屈な思いをさせてしまい、子どもを授かるのも遅くなりました。父親の介護の時は、子育てや仕事で在宅介護は難しいと悟っていたので、施設入所をためらうことはありませんでした。

どちらも良し悪しはありますが、「自分が介護をしなければいけない」という考え方は手放してください。「施設に入れる」という考え方に罪悪感を持つ必要はありません。40代は働き盛りで年収も高い時期です。そのような時に介護離職して収入が減ると、自分の家族の生活も不安定になり、親の年金や貯蓄が不足した時にカバーできず、共倒れになってしまいます。

現在では介護サービスも施設も豊富に準備されているので、地域包括支援センターや社会福祉協議会に相談し、負担の少ない選択をしていきましょう。

いかがでしたでしょうか?「お金」に関することは、節約や貯蓄のように、変わらないこともあれば、資産運用や働き方など、時代によって変わるものがあります。親と子のジェネレーションギャップがあるのは、いつの時代も同じことです。そのことを理解したうえで、親子でお金と向き合い、柔軟に対応していきたいですね。
 
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