今度は「いい歯医者」をアドバイスしたがる
周囲のママ友と話していると「被害者」の声が次から次へと。
「そのときもたまたま保護者会でリナさんに会ったら、『ダンナさん、歯医者さんを探してるの? うちの娘がお宅の息子さんに聞いたみたいで』と話しかけてきたんです。だから、子どもたちが行っている地元の歯科医のほうがいいかもって話してるのと答えたら、『うちの夫が相談に乗るわよ』って。『歯のことに詳しいの』というから、歯科医なのかと思ったら、夫のいとこが医療関係の雑誌記者なんだそう。
関係が遠い上に、そういう人に何を相談したらいいのやら(笑)。こちらに何のメリットもないですよね。むしろ時間の無駄。『歯のことは歯科医に相談するからいいわ』と穏やかに断ったら、『なんで? 相談したほうがいいわよ』と強引なんです。そんな時間はないからと押しきりましたが、不思議な人だなと思いましたね」
歯科医選びで困っているというわけではない。子どもたちの通う歯科医へ行くつもりなのだし、夫は大人なのだから自分で相性もチェックできる。リナさんからかなり遠い関係にある親戚に、しかも医師でもない人に相談してどこまでのメリットがあるのか確かにわからない。その親戚に対して、リナさんがいい顔をしたいだけなのだろうか。
「悪い人ではないし、親切なのはわかるけど、こちらが頼んでもいないことを押しつけてくる、わきまえずに親切を押し通そうとするのが理解できなくて」
ママ友界隈に「被害者」が続々と
最近、親しくなった別のママ友によれば、リナさんの「被害者」はけっこういるらしい。このところ胃腸の調子が悪いと軽い雑談でつぶやいたら、「こういう病院に行ったら?」と病院リストを渡された人がいるという。足首をひねっただけなのに、その場で救急車を呼ばれてしまったという人も。「彼女の前ではうっかりものが言えないと噂されているようです。なるほどねと思いました。親切にしているのに人が離れていく。だからよけい親切にする。それが悪循環になっていることに彼女自身、気づいていないんでしょうね」
人間関係には「ほどよい距離」がある。彼女自身が気づかない限り、ますます人に疎まれることになるのだろうが、それを指摘してもわかってもらえるのかどうか。シュウコさんは密かに気を揉んでいる。