【セブン】リニューアルしたシュークリームが好調!「ふんわりクリームシフォン」は定番人気シリーズに
セブン‐イレブンでは、2022年末にリニューアルした「とろ生カスタードの窯焼きシュー」の販売が好調。香ばしいシュー皮と、ミルク感をアップしたカスタードクリームに改良し、毎日食べたくなるような商品を目指したそう。
カスタードクリームに使うホイップは立ててから30分以内に製造することで、なめらかで口あたりのよさを実現。セブン‐イレブンの強みである品質への徹底したこだわりが表現された商品です。
また、たっぷりのクリームとふわっとした食感のスポンジを合わせた「ふんわりクリームシフォン」は、抹茶味や紅茶味、ココア味などのバリエーションを増やすことで定番商品としての認知が広がり、シリーズ累計約1500万個を達成。
さらに2023年は「地域フェア」などの催事を強化しており、「牛乳フェア」開催時に各地域で発売した「牛乳味わうミルクムースシュー」は、ミルク感がしっかりと感じられ販売も好調だったそうです。
【ファミマ】濃厚ショコラスイーツが絶好調!「ファミマルスイーツ」刷新でブランド力も向上
2023年の初めはコロナ禍が続いており、遠くの専門店より近くのコンビニで高品質なお菓子へのニーズが高まり、高単価なスイーツがずっと売れていたそう。
アフターコロナ以降は、2023年10月に発売した「濃厚ショコラ」シリーズが絶好調。「『濃厚』をキャッチコピーに展開させていただいたところ、それがフックとなって、5週間で販売個数は300万個を突破しました」(ファミリーマート FF・スイーツ部 杉本さん)。
またファミリーマートでは、2023年10月、新たなプライベートブランドとして「ファミマル」を発表。スイーツカテゴリーを「ファミマルスイーツ」に刷新し、その第一弾として発売されたのがこの「濃厚チョコスイーツ」でした。現在、チルドスイーツでは約30品ラインナップされており、スイーツ部門のブランド力強化にも繋がっています。
加えて、毎年人気のフラッペは2023年も好調に推移。とりわけポケモンのフラッペはフレーバーも3種類に増えて展開し、幅広い世代によく売れていたそうです。
さらに年末には、限定スイーツとして「スフレ・プリン・アラモード」を発売。「450円という、ファミリーマートとしては今まであまり手をつけたことのない高価格帯でしたがお客様の反応がよく、新たな需要として手ごたえを感じています」(杉本さん)。
【ローソン】「専門店コラボ」「トレンド反映」「原点回帰」の3カテゴリーがヒット
ローソンで好調だったのは、「専門店とのコラボスイーツ」、「新しいトレンドを反映したスイーツ」、「原点回帰スイーツ」の3カテゴリー。
とりわけ「専門店とのコラボスイーツ」では、GODIVAをはじめ、いちごスイーツ専門店「ICHIBIKO」、生クリーム専門店「MILK」などとコラボしたスイーツを計35種類を発売。毎年、発売種類・販売総数とも前年比を超えており、2023年の累計販売数は約2900万食を達成しています。
「近年では物価高騰の影響もあり、低価格の商品の販売が好調である反面、高価格でも価値を感じていただける商品については、性年代別問わず支持されています」(ローソン担当者)。
また、「新しいトレンドを反映させたスイーツ」の例では、写真映えするような、見た目でも楽しい気分になれる「ごち層スイーツ」をテーマに、夏の新作として発売した3層のカップスイーツなどがありました。
「とくに若い世代においては、見た目のインパクトなどがご支持いただける指標のひとつになっていると感じています」(ローソン担当者)。
また「原点回帰のスイーツ」では、誰もが味のイメージがつく定番商品へのニーズを受け、素材にこだわったスイーツを開発。洋菓子の基本素材である「バター」にこだわったバタースイーツなどが好評でした。
では、2024年はどんなコンビニスイーツが登場するのでしょうか? 2024年強化していくジャンルや、新商品についてお聞きしました。
【セブン・2024】和スイーツが伸長傾向。2024年はケーキタイプの商品を強化
セブン‐イレブンでは、和スイーツの伸長が続いており、売り上げも拡大傾向だそう。和洋折衷スタイルの商品も増やしたことでお客様の裾野が広がり、若年世代も含めて幅広く受け入れられているといいます。
2024年は、昨年に引き続き売筋商品の味・品質を見直し、さらに磨き込みを行うことに加え、ケーキタイプのスイーツを強化していくそう。モンブラン、ショコラケーキなどの発売を予定しているほか、季節に合わせた催事や施策も継続して実施予定です。
「コンビニエンスストアという日常使いのお店で、気軽に自分へのご褒美としてのニーズに応えていきたいです」(セブン‐イレブン広報担当者)。
【ファミマ・2024】チョコレートのオリジナルスイーツが登場予定。好評のイベントも継続
2024年は「濃厚チョコスイーツ」の好調を受けて、チョコレートを使用したオリジナルスイーツをさまざまなタイミングで発売していく予定だそう。さらに、定番メニューをさらにおいしく進化させていくことや、「ファミマのいちご狩り」や「ファミリ~にゃ~ト大作戦」などのイベントも続けていくといいます。
またスイーツの開発においては、2023年に新たに発足した「FF・スイーツ部」の存在も見逃せません。おでんやファミチキ、コーヒーやフラッペ、アイス、チルド飲料、パン、半生菓子などがひとつの部署にまとまったことで、原材料の情報やノウハウを共有するなど連携がとりやすくなり、横軸での商品展開もしやすくなったといいます。
「社内ではチルドスイーツを『手作りデザート』と呼んでいます。ひと手間加えたおいしさを大事に、新たな部署でのシナジー効果も発揮させながら新しいスイーツ開発に取り組んでいきたいです」(杉本さん)。
【ローソン・2024】定番商品+チャレンジ商品を両軸で展開。春には新作チーズスイーツが登場予定
2023年は季節感やトレンドを追い、新規性のある商品にチャレンジしてきたというローソン。2024年は、ウチカフェスイーツの原点である「専門店品質のデザートを手軽に楽しめる」というコンセプトのもと、クリームなどに加えチーズやカスタード、ショコラ、栗といった誰もが好きな素材を軸に、定番商品+チャレンジ商品を両軸で展開していくそう。
春ごろには早速、「チーズ」にフォーカスを当て「濃厚」に仕立てた商品を発売予定。また、どんな時でも気軽に食べられるコンセプトのスイーツに、「プチ贅沢」の要素を加えた新しいタイプのスイーツの発売も計画しているそうです。
そして、より自由な発想での商品コンセプト開発に特化する「商品コンセプト開発部」を2024年3月に新設。これまでにない新たな商品、お客様が売り場でワクワクするようなチャレンジングな商品の開発を進めていくそうで、今後がますます楽しみです。
コンビニ各社の「未来への取り組み」とは
近年は、スイーツにおいても減プラスチックや食糧危機、フードロスへの対応など環境への取り組みが増えています。
例えばファミリーマートでは、サステナブルな未来のための取り組み「ブルーグリーンプロジェクト」の一環として、2023年12月に「植物生まれのモンブラン」や「植物生まれのショコラテリーヌ」を発売。反響が大きく品薄の店舗も出るほどで、とりわけモンブランは「乳製品を使ったものと遜色ない」と評判に。
開発を担当した杉本さんは、「『コンビニのスイーツは食べられないと思っていた』というアレルギーを持つお客様からの声も多く寄せられ、また開発者としても新しい発見があり、やりがいのある仕事でした」と語ります。
またローソンでは、包材の工夫によるプラスチック削減に取り組んでおり、今後も推進していく方針です。さらに2023年はクリスマスケーキとして初めてプレミアムロールケーキの生地の端材を使用したティラミスを発売。
ナチュラルローソンでは、プラントベースのロールケーキ(2023年11月)やカヌレ(2024年1月)を発売しており、今後もさまざまなニーズに対応できる商品展開にもチャレンジしていくそうです。
セブン‐イレブンでは、これまでにも国産小麦を使用した商品の取り扱いを増やしたり、2023年11月にはカカオ豆産地の支援に取り組んだチョコレートを発売しています。スイーツではありませんが、環境負荷の少ない素材などを用いた「みらいデリ」のような商品もあり、今後も持続可能な未来のために課題解決や支援の推進に取り組んでいくといいます。
ご紹介した中に、みなさんのお気に入りのコンビニスイーツはありましたでしょうか? 2024年も気になる新商品が続々と登場しそうで楽しみですね!
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