「もうダメ」と思って別れても、保存ファイルを眺めているうちに「また好きになった」と感じる女性もいるだろう。
合わない夫と別れてホッとしていたのに
「1年前に離婚したんです。原因は性格の不一致。性格が不一致なんて結婚前からわかっていたことだし、性格が一致する夫婦なんているはずもない。とはいえ、こんなに違うことがイライラするとは思っていなかったんです」エリカさん(45歳)は、苦笑しながらそう言った。31歳のときにお互い一目惚れの状態で電撃結婚して13年で、結婚生活はあえなく閉幕となった。当時12歳の娘はエリカさんが引き取って育てることになった。
「もちろん、娘の気分次第ではありますが元夫にはいつでも会っていいと言っています。私自身も夫を憎んで別れたわけではないし、離婚して赤の他人になってみたら、案外、友だちとしては付き合いやすいと思いました。夫婦だからイラつくんですよね」
超せっかち vs. 超のんびり
彼女はかなりのせっかちだという。手動でドアを開けても開ききる前に自分の体を入れようとしてぶつかってしまうほどのせっかち。元夫のダイスケさんは、エリカさんが驚くほどののんびり屋だった。「娘と3人でファミレスに行ったとき、注文したものがなかなか来ないと私はもうイライラしちゃうんです。夫は娘と話しながらのんびり待っている。行き交う店員さんに『すみません、まだですかね』と何度も聞いてしまう私と、『別に急いでいるわけじゃないし、話していればすぐ来るよ』と言う夫。最初はそういう違いがおもしろかったし、私みたいなせっかちには夫くらいのんびりしたパートナーが向いていると思い込んでいたんです」
だがやはり両極端の性格は相容れなかった。同い年の夫が、勤務先では出世からかけ離れたところにいると知ってエリカさんは自分のことのように悔しがった。だが夫は「出世ってそんなに大事? 僕は仕事で心身をすり減らすより、早く家に帰って家族で過ごすほうが楽しいけどね」と、エリカさんの苛立ちもどこ吹く風だった。
>のんびりしている夫にだんだん腹がたってきた