資産運用

日本で一番土地の値段が上がっている場所はどこ?

国土交通省の発表によると、昨年(2023年)の基準地価は、全国平均が前年比1.0%上がり、2年連続の上昇となりました。一体、どの街の地価が上がっているのでしょうか。第一生命経済研究所の首席エコノミスト永濱利廣さんにお聞きしました。

執筆者:All About 編集部

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国土交通省の発表によると、昨年(2023年)の基準地価は、全国平均が前年比1.0%上がり、2年連続の上昇。地方圏の住宅地も31年ぶりの上昇となりました。一体、どの街の地価が上がっているのか、またなぜ上昇しているのか。第一生命経済研究所の首席エコノミスト永濱利廣さんにお聞きしました。
 

地価が上昇した場所トップ3<2023年度>

――国土交通省が公表した令和5年度(2023年度)の地価調査結果から、全国の地価上昇率(全用途)が大きかった地点のトップ3を見てみました。上位は熊本と北海道が独占していますが、これほど地価が上昇している背景には、何があるのでしょうか?
 
地価上昇ランキングベスト3

地価上昇ランキングベスト3(参照元:令和5年都道府県地価調査)


永濱さん:熊本県大津町の地価が急上昇したのは、隣接する菊陽町に台湾の半導体メーカー「TSMC」(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company/台湾積体電路製造)の工場進出による影響が大きいと思います。関連会社の進出や倉庫、アパート、ホテルなどの必要性が増し、それに伴って商業地や工業地の需要も高まり、地価が大きく上昇したのでしょう。

また、3位の千歳市も半導体メーカーの「ラピダス」(Rapidus株式会社)が新工場を開設したことで、地価が上がったのだと思います。

――いずれも大きな工場の進出が土地の需要を押し上げ、地価上昇に大きな影響を与えているのですね。では今後、地価の上昇が予想される地域はありますか?

永濱さん:やはり新たな生産拠点になるような地域は、地価が上がるのではないでしょうか。いま、岸田政権が経済産業省と共に、生産拠点の国内回帰や海外企業の国内誘致を進めていますので。あとは、北海道や沖縄など、積極的なリゾート開発が予定されているような所でしょうか。
 

日本で一番土地の価格が高い場所は? 

――土地の価格で見てみると、一番地価が高いのはやはり東京23区内でしょうか?
 
永濱さん:そうですね、商業地では中央区銀座2丁目の「明治屋銀座ビル」のあたりで、1平米あたり4010万円(※)で断トツです。銀座の土地の価格が下がらないのは、やはり収益性や利便性が高いことだと思います。銀座ほど、高級ブランドの旗艦店をはじめとする商業施設が集積し、利用客の多い駅が隣接しているエリアはなかなかないですから。

※2023年7月1日、国土交通省が発表している基準地価(都道府県地価調査)を参考

教えてくれたのは……永濱利廣さん

第一生命経済研究所首席エコノミスト。早稲田大学理工学部工業経営学科卒業、東京大学大学院経済学研究科修士課程修了。1995年に第一生命保険入社、日本経済研究センターを経て、2016年より現職。専門は経済統計、マクロ経済分析。著書に『日本病 なぜ給料と物価は安いままなのか』(講談社現代新書)等。
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