人間関係

僕は「モラ夫」でしょうか?10日間“鍋料理”を出し続けた妻にダメ出し「あんまりでは?」(2ページ目)

質素な料理が続いたあとに小言を言ってしまった夫は、モラハラだろうかと気にしつつ、週末に手の込んだ料理を作ってみせたら妻にキレられた。なぜ妻は怒るのか、きちんと話を聞いてみたら、育児に“強いプレッシャー”を抱えていた。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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責任感が強すぎると気づいて

それを聞いたとき、ヒサトさんは「手を抜いてばかりいるのに、プレッシャーだなんてよく言うよ」と内心思った。ところが次の瞬間、気づいたのだ。妻は昔から生真面目で責任感が強かった。ゼロか100かというタイプで、できるときは全力を注ぐが、できなさそうだと感じると急に投げ出すのだ。

「適当にやっておくことができない。やるかやらないかのどちらか。本来はそういうタイプなのに、プレッシャーを感じて頑張らなくてはいけないと思ったからこそ、鍋が1週間続いたんだと気づいたんです。惣菜を買ってきて済ますほど無責任にはなれない。だけど自分が納得いくようなものは作れない。だから鍋に頼ったんだろうと」

しかも彼がビーフシチューを作ったために、妻はより追いつめられてしまった。それに気づいたヒサトさんは、アバウトでいいから献立を作ろう、週末に常備菜を作ろうと提案した。妻はそれを受け入れ、週末は娘も一緒にキッチンに立つことが増えた。

「それにしても在宅ワークの妻がどうしてそこまで忙しいのか……。それとなく娘に聞くと、妻は帰宅した娘のその日の授業をすべて復習させているらしい。勉強って疲れると娘がぼやいているので、そのことも妻と話しました。まだ小学校低学年だし、勉強でがんじがらめにするのはかわいそうだ、と」

妻は母親としての辛さを初めて打ち明けた

それよりもっと楽しい生活をしよう、勉強より大事なものがあるはずだと彼は力説した。妻はすでに疲弊していたのだろう。子どもができてからずっと辛かったと初めて打ち明けた。

「いい母親にならなければいけない、勉強のできる子にしなければいけない、妻としても完璧を目指さなければいけないと思っていたようです。僕はそんなこといっさい要求していないのに。食事を作れない日があってもいいし、惣菜や冷凍食品を活用することがあってもいい、みんなでご飯を作る日もあればいいし、僕が凝ったものを作りたくなったら作る。誰かが誰かに何かを強要することがあってはいけない。僕はそういう家庭にしたい。そう言ったら、やっと妻も少しラクになったみたい」

折に触れてそういうことは言ってきたはずなのだが、常にプレッシャーでガチガチになっている妻の耳には入らなかったのだろう。きちんと言葉にして伝えることは、常時しなければ意味がないとわかったと、ヒサトさんは神妙な面持ちで言った。
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