現役時代にいくら稼ぎ、貯蓄をしておけば安心した暮らしができるのか。All Aboutが実施したアンケート調査から、福島県在住64歳女性のケースをご紹介します。
回答者プロフィール
回答者本人:64歳女性同居家族構成:本人、夫(67歳)
居住地:福島県
リタイア前の雇用形態:公務員
リタイア前の年収:700万円
現在の貯蓄額:預貯金3000万円、リスク資産1億円
現役時代に加入していた公的年金の種類と加入年数:教職員共済の厚生年金33年
現在受給している年金額(月額)
老齢基礎年金(国民年金):なし老齢厚生年金(厚生年金):10万円(特別支給の老齢厚生年金)
障害基礎年金や障害厚生年金(障害年金):なし
遺族基礎年金や遺族厚生年金(遺族年金):なし
その他(企業年金や個人年金保険など):個人年金保険4万円
配偶者の年金や収入:年金220万円(年額)
「退職金で加入した個人年金で月の年金額をカバー」
現在の年金額について満足しているか、の問いに「どちらでもない」と回答した今回の投稿者。その理由として「夫婦2人で教育公務員だったため、ほぼ同額の年金を受給している。私の方はまだ国民年金を受給していないが、特別支給の厚生年金を63歳から受け取れた。また、2人の年金だけではインフレに対応できないだろうと考えて、(50代で)早期退職した時の退職金で個人年金に加入し、終身でそれぞれ月に4万円プラスになるようにしたので、生活には困らない」と、老齢年金以外でも老後に備えていることを説明されています。
ひと月の支出は約「30万円」。年金だけで「毎月賄えている」と回答されています。
「子1人を都会に出すくらいの貯蓄を毎年続けてきた」
年金で足りない支出がある際も「変額保険に夫婦合わせて6000万円ほど入れているので上手に運用できれば、年間300万円以上の運用益がある。普段の生活以外の出費に対応できる」という投稿者。ただし、十分な資産があるのも、元々30年前から老後を見据え準備をし続けてきたからだと言います。
まず、「子供を持たない選択をした」ことで、それにより「自分たちの老後はどうするかというビジョンがかなりはっきりした」そう。
その上で「老後資金は35歳から考えた。具体的には個人年金積立を始めたこと」、「早期退職は結婚した頃からの計画であった。実現のために個人年金だけでなく生活に無駄がないように心がけ、先取り貯蓄を行った。30代後半から『大学生1人、都会に出している分くらいの貯蓄』を続けてきた」とコメント。
貯蓄の結果、「40代後半から変額保険という投資に回す事ができた」ことで今の運用益にもつながっていると言います。
また当時から「『家計運営は会社経営と同じ』を合言葉に年度末には収支決算を夫婦2人で行っていた。当然財布は一緒。給料日に全額出し合って、そこから生活費や小遣い貯蓄と分けた」と、徹底して家計管理を行っていたと説明します。
「資産も体も守りながら前向きに暮らしている」
お住まいについては結婚して40年間ずっと賃貸だという投稿者。「町営住宅なので生活を圧迫しない。小さな町ではあるが、交通の便がよく物価はさほど高くない。野菜の産直もあるし、年金生活になれば料理も手作りできるし外食がかなり減った。自然に節約になっている。町営住宅の入居条件は特になく、収入制限もありませんでした。今でもこの住宅は一般町民に向けて募集をかけています。しかし、少々古い設備のため、若い人は敬遠するでしょう。でもレトロで素敵です」と説明されます。
ここまで順調に来ているように思える投稿者ですが、実際のところは義実家とのあつれき、震災、借家の焼失、また「4年前に私、3年前に夫にがんが見つかり」波乱万丈で「とんでもない人生のように見える」と言います。
それでも前向きに退職後の生活を楽しんでいる様子で、「早期リタイアして音楽大学に行き、声楽の勉強をしなおした。年金生活になっても活動に変化はなく声が続く限り頑張りたいと思っている。また、夫婦共通の楽しみは旅行。混んでいない時期を見てどこにでも行けるのが一番楽しい。若い頃から『小さな炊飯器を持ってビジネスホテルに泊まる節約旅行』などという工夫をしてきたのでやたらと贅沢するのが幸せではないという思いがあり、どのポイントを工夫するのか、いいホテルにするか、交通手段は飛行機にするかなど考えるのがワクワクする」そう。
最後に「先手必勝で資産も体も守っています」とコメントを残されていました。
※皆さんの年金エピソードを募集中です。応募はこちらから
ーーーーーーーーーーーーーーーー
※カッコ内の回答者コメントは原文ママです
※エピソードは投稿者の当時のものです。現在とはサービスや金額などの情報が異なることがございます
※投稿エピソードのため、内容の正確性を保証するものではございません