年賀状の送り主は、予想通りに怪しかった
夫宛ての「不審な年賀状」1枚
「昨年の年賀状に不審な1枚があったんです。夫宛てのもので、差出人は女性の名前。私と夫は学生時代から付き合っていて、その後、一時期離れたものの28歳で再会、1年後に結婚しました。離れていた時期、お互いの恋愛関係もほぼ話したはずだし、隠し事はしないという約束のもとに結婚したんですが……」憂いのある表情でそう言ったヒサコさん(40歳)。10歳になるひとり息子を共働きで育てている。
「その年賀状には『今年は一目でいいから、お顔を拝見したいです』とありました。なんか妙な雰囲気でしょ。会いたいというなら友だちかなと思うけど、お顔を拝見ってどういうことよ、と。その年賀状を夫に渡しながら、『秘めた関係?』と冗談交じりに言ったら、夫の目が泳いだんですよね」
3日連続で未明の帰宅は怪しい
要注意だと思ったものの、日常の忙しさに紛れてそのことは忘れていった。だが春頃、夫の帰宅が遅いことが続いた。「3日連続で未明の帰宅。いくら何でもおかしいでしょ。どうしたのと聞くと、『ちょっと大きな商談で揉めていて残業だったり接待だったり』といかにも疲れた顔で言うので、それ以上は聞けませんでした。その後は通常の帰宅時間に戻ったし、年賀状のことも忘れていたし」
ただ、秋になってから夫に「3日間、出張がある」と聞かされた。夫はほとんど出張がない業務なので、珍しいなとは思ったが、いつになく饒舌になぜ出張しなければならないかを説明されたので、疑心暗鬼ではあったが納得したふりをした。
「そのときに年賀状の件を思い出したんですよ。なんか女性が絡んでいるのではないかと。鈍いですよね、もっと早く気づくべきだった」
夫からみれば間が悪いというべきか、出張している間、会社から電話がかかってきた。休暇中の夫に携帯がつながらないから家にかけたと同僚は言った。
「出張のはずなんて言えないじゃないですか。だから身内に不幸があって実家に戻っているのでと言うしかなかった。仕事の件でどうしても連絡がほしいというので、伝えますと言って切りましたが、内心、モヤモヤどころかはらわたが煮えくり返りました」
悪い予感は当たるとヒサコさんは思ったそうだ。
>高校時代の彼女と?