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資金ゼロでもNISAはできる?お金のプロが教えてくれた「フリマアプリ売上金」で“ゆる”資産形成術

2024年1月からスタートした「新NISA」。気になってはいるものの、資金が作れず始められないという人もいるのではないでしょうか。無理なく投資を始めるためのアイデアを、「Yahoo!ファイナンス」の責任者を務める今成麻美可さんに伺います。

川崎 さちえ

執筆者:川崎 さちえ

フリマアプリ・ネットオークションガイド

NISAの資金はどう確保する? 金融情報サービス「Yahoo!ファイナンス」の責任者にインタビュー

NISAの資金はどう確保する? 金融情報サービス「Yahoo!ファイナンス」の責任者にインタビュー

2024年1月1日から、新しいNISA制度が始まりました。生涯投資枠が1800万円、そして非課税で保有可能な期間が無期限になり、活用する人もたくさんいることでしょう。一方で「投資資金を作るのが難しい」「リスクが気になる」という声があるのも事実です。

そこで今回は、金融情報サービス「Yahoo!ファイナンス」の責任者である今成麻美可さんに、投資をスタートさせたきっかけや投資資金の作り方についてインタビュー。聞き手は、株式投資の専門家で「All About」フリマアプリ・ネットオークションガイドの川崎さちえです。
 

生活費や貯金を削らずに投資資金を作るには?

川崎:1月から新NISAがスタートしました。興味を持っている人も多いですし、実際に投資を始めた人もたくさんいると思います。NISA制度を活用することで「将来のお金を自分で作っていく」ことができるようになり、投資に対する考えも大きく変わるのだろうなと思いますが、一方では「投資資金がない」という声も少なくありません。
「不用品を価値化すれば、投資資金を捻出しやすくなるのでは」と語る今成さん

「不用品を価値化すれば、投資資金を捻出しやすくなるのでは」と語る今成さん

今成麻美可さん(以下、今成さん):「投資をするにはまとまったお金が必要」というイメージがあるのも理由かもしれません。一般的には最低1万円と設定されていたりしますが、100円から投資できるものも多数存在します。一方、昨今の物価高で節約に目が行ってしまうと、投資に回すお金を捻出するのは難しいと感じてしまうこともあると思います。

川崎:私は「メルカリ」や「Yahoo!フリマ」などのフリマアプリで得た売上金を投資に使えるのでは?と考えているんです。これまで売上金はフリマアプリ内での商品の購入や、コンビニ・スーパーなどの支払いに使われてきましたが、これからは投資に使うことで、将来に向けてお金を“育てる”ことができるのではないかと。

今成さん:「収入のうちどれくらいを生活費や貯金に充てるか」は決めている人も多いと思いますが、その中から投資資金を出すとなると、収入が増えない限り、生活費や貯金を削って捻出することになります。それでは、投資を始めるハードルが高くなってしまうのも当然かもしれません。

その点、不用品を売ったお金は、生活費や貯金から出すものではないので、抵抗なく投資に回せる人も多いのではないでしょうか。
 

「Yahoo!ファイナンス」の“中の人”でも、最初は投資に抵抗があった

川崎:今成さんは、いつ頃から投資を始められたのでしょうか?

今成さん:2013年頃からですね。投資歴でいうと、10年ほどでしょうか。ヤフー(当時)に入社し「Yahoo!ファイナンス」に異動してから始めました。

川崎:最初は投資に抵抗はありませんでしたか?
最初は投資そのものに抵抗があったという今成さん

最初は投資そのものに抵抗があったという今成さん

今成さん:すごくありましたよ! 仕事上のある企画がきっかけでFXを始めることになり、それが私の投資のスタートとなりました。ただ、秒単位で動きがあるのを日々追いかけるのは難しくて……。そんなとき、上司が投資信託を勧めてくれたんです。

川崎:投資信託はつみたて投資ですか?

今成さん:ボーナスが出たタイミングで5~6万円分の投資信託を買って、そのまま保有していました。それがしばらくしたら、少しプラスになっていて。その後、個別株や投資信託のつみたて投資を始めました。「投資をしたいけれどなかなか一歩を踏み出せない」という人もたくさんいると思いますが、気持ちはよく分かります。

川崎:投資が始められないのは、マイナスになった時の不安が大きいからだと思います。でも、もし投資資金に「不用品を売ったお金」を使ったら、マイナスになったとしてもそこまでガッカリしないと思うんですよね。「もともとなかったお金だ」と思えますし、不用品を売ったお金は臨時収入のようなものですから。

ただ1つ懸念があって、もしつみたて投資をするとなっても、フリマアプリでコンスタントに売り上げるのは難しい場合もありますよね。

今成さん:確かにフリマアプリの売上金は、毎月決まった金額ではないこともありますね。それなら、つみたて投資ではなく新NISAの「成長投資枠」のスポット買い(投資家が好きなタイミングで買っていく方法)をするという方法もあります。
 

毎月の投資額を決めて、フリマアプリの「売上目標」にするのもアリ

株式投資の専門家でAll About「フリマアプリ・ネットオークションガイド」の川崎さちえ

株式投資の専門家でAll About「フリマアプリ・ネットオークションガイド」の川崎さちえ

川崎:あるいは、毎月いくら投資をしたいから、不用品をいくら分売るというように目標を立てるのもよさそうですね。例えば毎月3000円のつみたて投資をしたいから、3000円分は売るぞ!と決めるとか。

今成さん:「いずれ不用品がなくなってしまうのでは」という不安もありますが、これについて川崎さんはどう考えますか?

川崎:家の中が手付かずの状態であれば、不用品はたくさんあります。「メルカリ」の試算では「国民一人あたり約53万円分もある」とされています。でも不用品を出品していくとだんだん出品するものが減っていくのは事実です。

実際、私自身も「Yahoo!オークション」を始めた時と比べると、不用品の数は減っています。一方で、生活をする以上、何らかの不用品は出ると思っています。例えば、今成さんはお子さんがサイズアウトをした洋服を出品するとおっしゃっていましたよね。他にも、使わなくなったコスメや読み終わった本などもあるでしょうから、不用品がゼロになることはないと思います。

今成さん:不用品を見つけるのが楽しくなるかもしれませんね。

川崎:「自分にとってはいらない物も、他の人にとっては必要な物となる」という考えを持っていると、家の至るところに不用品があることに気づくと思います。あとはフリマアプリを続けることが大切なんですが、実は出品よりもネックになっていることがあるんです。それが「梱包」です。

今成さん:確かに梱包はすごく面倒なんですよね。思った以上に梱包のコストや手間がかってしまうこともあります。

川崎:梱包にコストがかかって面倒と感じるのは、梱包とラッピングを同じに考えているからかもしれません。梱包は商品を安全に届けるために行うものなので、ラッピングとは違います。例えば雨や雪で商品が濡れないようにしたり、輸送中に壊れないようにプチプチで包んだりする程度でOKです。外側の梱包材も、家にある紙袋でいいんですよ。

梱包のコストを抑えて少しでも売上金を得られるようにすれば、フリマアプリを続けようという気持ちにもなりやすいと思います。続けていけばその分、長く投資に回せます。ぜひ多くの方にフリマアプリでの投資資金づくりを実践してほしいですね。



フリマアプリで不用品を売って得たお金は、何かの購入費に充てるのもよいですが、資産形成のために投資に使うという選択肢もあります。「投資に興味はあるけれど、資金がないから始められない」と思っていた人は、「不用品を売ってお金を作る」ことから始めてみてはいかがでしょうか。すでに始めている人は無理のない範囲で続けられるよう、売上目標を立ててみるのもおすすめです。

※「Yahoo!ファイナンス」とは……
LINEヤフーが提供する、日本最大級の金融情報サービス。これから投資を始める人から投資経験者にまで、資産形成に役立つ多彩なコンテンツを届けています。

続いては、これからNISAを始める予定の人がチェックしておきたい情報について、今成さんにインタビュー。金融情報サービス「Yahoo!ファイナンス」の活用方法についても教えてもらいました。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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