優しい人が搾取されないための防衛策って?
この記事では、さまざまな論文をもとに「優しい人ほど悪い人に搾取されて貧乏になりやすいから気を付けようね!」という話を書きました。
この記事が人気だったようで「優しい人が貧乏にならないために、もっと気を付けたほうがいいことはありませんか?」と質問をいただきました。
そこで今回は、アメリカの社会心理学者である、ロバート・B・チャルディーニ氏の世界的名著「影響力の武器」(1)を参考に、優しさを搾取されないための防衛策を2つ取り上げます。
優しさを搾取されないための防衛策
第一に、チャルディーニ先生によると「恩のある人からの頼み」は、自分にとって不利な願いでも受け入れてしまいがちなのだそうです。筆者も恩人の頼みを断るのがひどく苦手です。たとえば、「お土産の試食をしたら買わないと悪い気がする」とか、「服屋で試着をしたのなら買わないと悪い気がする」とか、カンタンに営業員の手のひらで踊ってしまうのです。
筆者はまだ軽いほうですが、優しい人ほど「恩」に付け入られて搾取されやすいので注意が必要です。
このような搾取を避けるためには、まずは「搾取するために恩を押し付ける人もいるのだ」と知ることが大切です。事実に気付くだけでも「返す必要のない恩もある」と、少しは割り切れるはずです。
第二に、「自分が好きな人からの申し出」も、自分にとって不利な願いでも受け入れがちなので注意が必要です。
大好きな人からの申し出ほど断りにくいですし、背伸びをしてしまうものです。
僕も結婚のときは、背伸びしてでも妻が「ここで結婚式を開くのが夢なの」と言っていた式場で結婚式を挙げました。この支出は正しかったと思うし後悔もしていませんが、経済的な部分にだけ注目すれば、もっと安く結婚式を済ませる方法は他にもいくらでもありました。
世の中には「不利な願いを聞き入れさせるために好意を抱かせようとする」人もいます。あなたの好意を悪用する人もいるので、「好き」とは言ってもすべての申し出にイエスとは答えず、節度をわきまえるのが大切です。
あなたの好意を搾取されないためには「好き」と「申し出」を切り離して考えるクセを付けるのがよいでしょう。仮に相手のことを好きではなかったとして、その申し出を受けるのか?を考えることで、自分が犠牲になりそうな申し出を断れることも増えるでしょう。
まとめ
要点をまとめると、優しさを搾取されないための防衛策は、◯搾取を前提に押し付けられた恩には報いなくてもよいと知る
◯「好き」と「申し出」を切り離して考える
の2つです。
優しい人ほど、恩や情を利用されやすいです。他人を搾取しようとしている人ほど恩や情を植え付けてきますから、相手の術中にハマらないように気を付けましょう。
【参考文献】
1. 書籍:ロバート・チャルディーニ著, 影響力の武器[第三版] なぜ、人は動かされるのか