資産運用

「テーマ型投信は買ってはいけない」は本当?

インフレや新NISAのスタートを機に、「貯蓄から投資へ」の流れが本格化しようとしています。一方で、全く知識のないまま投資を始めて思わぬ損をしてしまうことも……。そんな初心者が陥りやすい落とし穴を紹介します。今回は、話題の業種などを対象とする「テーマ型投資信託」についてです。

鈴木 さや子

執筆者:鈴木 さや子

学費・教育費ガイド

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投資信託

「テーマ型投信は買ってはいけない」は本当?

インフレや新NISAのスタートを機に、「貯蓄から投資へ」の流れが本格化しようとしています。一方で、全く知識のないまま投資を始めて思わぬ損をしてしまうことも……。そんな初心者が陥りやすい落とし穴を紹介します。今回は、話題の業種などを対象とする「テーマ型投資信託」についてです。

テーマに関連する複数の企業に投資する投資信託

「テーマ型投資信託」とは、トレンドとなっているようなテーマに関連する複数の企業に投資するもの。

テーマは数多くありますが、たとえば「旅行」「ヘルスケア」「サイバーセキュリティ」といったものがあります。

テーマ型かどうかは、投資信託のファンド名を見ればわかることが多く、たとえば旅行の場合は「〇〇ツーリズム株式ファンド」、ヘルスケアなら「△△医療関連株式ファンド」といった感じです。

*ファンド:多数の投資家から集められた資金を1つにまとめて運用して収益を還元する仕組みのこと。投資信託の商品のことを「ファンド」と称することも多いです。

テーマ型投資信託に飛びつかないほうがいい理由

聞いたことがある言葉がファンド名に入っていると、つい「買ってみようかな」と飛びつきがちですが、よくわからないまま、利益を得られるかもしれないと手を出すのはおすすめできません。その理由は、「狭い業界に集中投資することになり業界全体の値動きに影響を受ける」ことと、「話題になっている場合、時すでに遅しであることが多い」からです。

もちろん、テーマ型投資信託の販売後、短期的には大きく増やせる可能性もあります。ただし、日頃その業界に興味がない人の耳に入る頃には、すでに人々の関心も高まり株価もだいぶ上がっているはず。初期に買った人たちが売って利益確定して、下がる可能性もあり得ます。

行動経済学に詳しい経済コラムニストの大江英樹氏によると、「(人は、)身近なものやわかりやすいものは、起きる確率が高くなると勘違いしやすい。最近話題になっているものは上がる確率が高そうに思える。」(大江英樹「あなたが投資で儲からない理由」日経BP/2021年7月より要約)とあります。

要するに人というのは、心理的な影響を受けやすく、わかりやすい言葉が入っている運用商品に対して、根拠がなくても、なんだか上がりそうとポジティブにとらえがちだということ。その業界を応援していて動向に詳しいとか、過去実績を見て自分で期待できると判断できたのでないならば、手を出さないのが一番です。
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