人間関係

「私から信用と友だちを奪った」テイカー気質のママ友と人間関係を断つために実行したこと

ギバー気質だという40代女性は、幼少時から母親にさえ付け込まれてあらゆる面倒ごとを引き受けてきた。ママ友にも同様につけこまれ、友を奪われパシリに使われる始末。彼女は、テイカーの特徴と合致するそのママ友との人間関係を断ち切るまでの一部始終を語った。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

恋愛ガイド

テイカー体質のママ友との関係を断ち切るまでの一部始終

ギバー気質はテイカー気質を引き寄せる。それを見抜いて利用しようと近づいてくる、とも……

テイカー(Taker)」に奪われるのは、利益と時間と真心だと言われている。付き合っていても話し合うことすらできず、一方的にさまざまなことを押しつけられたり、誠意を踏みにじられることもあるからだ。「ギバー(Giver)」としてはどんどん心がすり減らされてしまう。

ギバーはテイカーを引き寄せる。言い換えれば、テイカーはギバーである人を見抜いて近づいてくるのかもしれない。この人なら自分が得できる、と。
<目次>

私から「信用」と「友だち」を奪ったテイカー気質のママ友

テイカーにつけ込まれたら、関係性を変えることも必要だ。ノブコさん(43歳)は、かつてのママ友との関係を訴える。

「ママ友にそういう人がいたんです。他の人の悪口を吹き込んできて、様子を見る。うっかり相づちを打とうものなら、その悪口は私が言ったことになってしまう。そうやって私から信用を奪い、友だちを奪っていった。なぜそんなことになったかというと、たまたまうちの子が彼女の子より人気者だったから。あちらのほうが勉強はできたんですよ。だけど、うちの子は運動ができて人気があった。それだけのことで、しかも親には関係のない話なのに私だけがどんどん疎外されていった」

ストレスを抱えて心身ともに調子を崩していった。たまたま遊びに来た姉に愚痴を言うと、姉はふうんと苦笑いしながらノブコさんを見た。

私は昔から人に“つけ込まれる”ギバー気質だった

「姉に言われたんです。『あんたは昔から人につけ込まれる要素がある』って。ムッとしてどういうことよと聞いたら、『頼まれるとイヤと言わないで引き受けてくれるし、困ったそぶりをしている人を見ると放っておけずに助けちゃうでしょ。助けるだけならいいけど、結局、助けるんじゃなくてすべてやってくれちゃう。よくお母さんにもそうされてたじゃない』と。確かにそうなんですよね。母は、姉に対しては遠慮していることを、私には平気で頼んでくる。頼むというより命令口調。私が御しやすかったかららしいです」

学生時代から、母が行くべき亡き父の親戚関係への挨拶などもノブコさんは代理で行かされた。しかも「こういうことをしておくと、あなたのためになる」と言われて。自分がしたくないことを娘にさせておいて、なおかつ恩着せがましい母だった。

「姉に言われて、そういえば例のママ友は母に似てると思いました。利用されているし、私自身を悪用されているとも思ったけど、母にしろママ友にしろ、私は姉が言うようにイヤと言えずに従ってしまうんですよ。揉めるのがめんどうなのもあるけど、姉に言わせれば『自分がいい子でいたいのよ、あなたは』ということらしい。確かにそういう面もありますね」

いつまでも時間や気持ちを搾取されたままでいるつもりなのかと姉に問われて、ノブコさんは言葉を失った。

手始めに…ママ友と「距離を置く」ことに

ママ友に付け込まれて孤立することになってしまった

ママ友に付け込まれて孤立することになってしまった

そのママ友は、ノブコさんの自宅にいつも不意にやってくる。自分が来れば入れてもらえるものだと思っているのだろう。

「マンションですから、居留守を使うこともできる。あるときやってみたんですよ。チャイムが鳴ってもでない、彼女からの電話にも出ない。そうしたら留守電に『あなた、ときどき○○に行くでしょ』と私がごく稀に行くデパートの名前を出して、『明日、あそこでどこそこのドレッシングを買ってきて』って。自分で行けばいいだけの話ですよね。

直接言われると断れない話でも、留守電を聞き直したら、どうしてこんなことを頼まれなければいけないんだろうと思いました。しかも私がいつ行くか聞かずに、明日買ってきてって、私に使いに行けと言っているだけ。バカバカしくなりました」

続いて…連絡を「無視し続ける」と意外な変化が

その連絡を無視した。3回に2回は無視しているうちに、去っていった他のママ友たちから徐々に連絡が入るようになった。どうやら悪いのはノブコさんではないとわかってくれる人たちが出てきたのだ。

「私はその彼女とはどんどん離れていきました。道で会っても挨拶だけで、あちらが立ち止まろうとすると先手を打って『ごめんなさい、これから実家に行かないと』『ごめんね、急いでるの』と逃げるんです。私は人に嫌われるのが怖かったけど、その彼女には嫌われてもいいと開き直ることができた」

いつも人とつるんでいる必要もない、ママ友は自分が選んだ友だち関係ではないと理屈で自分を納得させれば、自分から何かを奪おうとする人とは距離を置こうと決めることができたと彼女は言う。

結論…テイカーからは「逃げるが勝ち」だった

「結局、毅然としている人はたとえギバーであっても、テイカーから利用はされない。姉が言ったように私は悪質テイカーを引き寄せていたんでしょうね。甘く見られただけ。お互いを尊重できないような人とは、仕事であれ私生活であれ、付き合う必要はないと思えば離れることはできるんだと新たな発見がありました」

人間関係からは逃げないようにしてきたつもりだけど、現実には逃げるが勝ちということもあるんですと、ノブコさんは笑顔を見せた。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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