大きなざるで天日干し。強風が気になれば専用の干しかご、干し網で。アウトドア用の網もおすすめです
セミドライ野菜でうま味、甘みUP! 調理の時短にも
私たちが家で作るなら、食品売り場にならぶプロの乾物を目指さなくても、野菜を半日~1日ほど干してすぐ使う「セミドライ」で十分。うま味や甘みが凝縮され、調理の時短ができる上、根菜は独特のコリコリ食感も楽しめます。蒸して干したら「干し芋」「乾姜」でメリット倍増
干し野菜の定番である「さつま芋」「生姜」は、そのまま干してもおいしく楽しめますが、干す前に「蒸し」をプラスするとメリット倍増です。さつま芋を蒸して熱いうちに皮をむき、厚さ5ミリくらいに切って干せば、甘くなった「蒸かし芋」がさらに甘い「干し芋」に変身。3~5日で食べられます。さつま芋はせいろで蒸すのがおすすめですが、電子レンジや炊飯器なら手軽に作れます。
また、すりおろし生姜は体が温まると人気ですが、蒸して干すと成分が変化して、より体の奥から温める効果を発揮します(※1)。
※1:「生姜」に含まれる「ジンゲオール」は加熱により「ショウガオール」に。さらに乾燥させたものが「乾姜」。どちらも薬膳などで生薬として使われる。
さあ作ろう! 食材は薄め&小さめに
できた野菜は普通に使ってOK。先日わが家では細かくしたレンコンやゴボウを雑炊に入れたら新鮮な食感が好評でした
天日干ししたら15時までに取り込む
ザルや網に材料をならべて室外の日なたに置き、日がかげって湿度が上がるまでに取り込みます。目安は15時ごろ。今回は保存食ではなく「半生(セミドライ)」を目指すので、完成は表面がある程度乾くくらいでOK。雨や汚れ、虫などが心配なら、全体を覆う、キャンプで使う網や洗濯用の平干しネットを使うのもいいでしょう。干し野菜専用のカゴや網も売られています。
室内干しもOK
部屋の中でもできます。日当たりの良い場所に置いておいて夕食に使うのです。外出の予定があっても、これなら安心! エノキやしめじ、白菜やキャベツといった乾燥しやすい野菜がおすすめですが、根菜もできます。時間はお好みの硬さで判断を。干し野菜で何を作る?
できあがった干し野菜は普段の料理に使ってOK。煮ものや鍋もの、豚汁などにすると火の通りが早いほか、独特のコリコリ食感もクセになります。うまみが凝縮したミニトマトは並べてハーブやパン粉、にんにく、粉チーズ、オリーブオイルを混ぜたものをかけてトースターへ。箸が止まらないおつまみになります。冷蔵庫のない昔から、保存食としてだけでなくそのおいしさから今に伝わり愛され続けてきた「干し野菜」。昔の人へも思いを巡らせながらアレンジ料理を考えるのも楽しいです。とりあえず一度、干してみてくださいね!