「ChatGPTって気になるけど、結局何が便利なのか分からない」「どうやって使ったらいいの?」という疑問についてお答えできたらと思います。
iPhoneアプリ「ChatGPT」を使うための初期設定
iPhoneアプリ「ChatGPT」はApp Storeから無料でダウンロードできます。1.リンク:ChatGPT|OpenAI
アプリをダウンロードしたら、まずはアカウントを作成します。アカウントはメールアドレスからでも作成できますが、Apple IDやGoogleアカウントと連携すると簡単です。
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アカウントの連携が完了したら、生年月日を登録。最後に承認として「Continue」をタップすれば、初期設定は完了です。
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使い方は簡単。画面下のメッセージボックスに質問文を入れるだけで、ChatGPTからの回答を得ることができます。
ChatGPTはスレッド単位で話題を管理でき、過去の履歴を振り返ったり、再利用したりできます。
ChatGPTを効果的に使うための基本的な考え方
ChatGPTは、「プロンプト」と呼ばれる質問文や指示文を投げかけると、反応を返してくれるようになっています。つまり対人間のコミュニケーションと同じで、ChatGPTと会話のキャッチボールを行えばよいのです。あまり難しく考える必要はありません。
ただし、私たち人間が行う会話と違うのは、ChatGPTには「背景」や「前提知識」がなく、「空気を読む」といった感覚も持たない点です。
私たちが会話をするときは、相手の状況や人柄を理解した上で、必要に応じて言葉をはしょったり、曖昧な文章で相手の理解を期待したりします。
しかしChatGPTは真っ白なキャンバスのようなものなので、こちらから1つひとつの状況を設定し、ロールプレイを促してあげる必要があります。
なので、ChatGPTに何か依頼をするときは、その依頼に至った経緯や背景、今の状況の説明、行ってほしい具体的なアクションなどを、明確に示してあげる必要があります。
ChatGPTは非常に賢いので、決まったフォーマットや言葉遣いなどが存在しません。私たちが人に状況を説明するようなイメージで話しかけるだけで、ChatGPTは理解し、反応してくれます。
あまり深く考えすぎず、「ちょうど良い話し相手」ぐらいの感覚で会話を楽しめば、最高のプロンプトになるはずです。
筆者がよく使っているプロンプトの例
「依頼はご自由にどうぞ」と言われても、最初はなかなか難しいかと思います。そこで、1つの参考として筆者がよく使っているプロンプトの例をご紹介します。ChatGPTにどのような依頼をするにしても、筆者は基本、以下の点に配慮してプロンプトを書くようにしています。
- ChatGPTに担ってもらいたい役割
- 具体的なゴール、アクションの明示
- 状況、ステータス、背景の設定
- 制約、条件、ルールの設定
- 会話を何度も続ける
例として、ChatGPTに夕食の献立について考えてもらうとします。
ここでいきなり「夕飯の献立を考えてみてください」と入力しても、期待した答えは返ってきません。
これは私たちの会話でも同じですよね。料理が得意な友達に、「夕飯の献立なにがいいかな?」と漠然とした質問をしても、幅が広すぎて回答に困ってしまうでしょう。家族構成や使える食材など、さまざまな制限や条件があるからこそ、クリエイティブに発想ができます。
ChatGPTも基本的な考え方は同じです。なので、漠然とした依頼にならないよう、より具体的な設定を作り、道筋を示してあげることが大切です。
■担ってもらいたい役割
まず最初に、ChatGPTにどのような役割を演じてほしいかを定義します。
定義はより具体的であるほうが望ましいです。「ミシュラン三つ星レストランのシェフ」と「町の定食屋のおばちゃん」では、提案してくれる内容が大きく異なりますよね。
それと同じで、自分が望む結果を引き出すために、具体的な役割を設定してあげることが大切です。
「あなたはプロの料理人です」というだけでなく、「美味しいだけでなく、健康的な料理をミッションとする料理人」などという風に、人物像をイメージできるぐらいの具体性があると良いでしょう。
■具体的なゴール、アクションの明示
次に、行ってほしい具体的なアクションや達成したいゴールを設定します。
ChatGPTは素直で純粋なので、言われたとおりにしか動きません。もし欲しい結果が得られなかったら、「何をしてほしいのか」がきちんと伝わっていないのかもしれません。
夕食に添える料理を1品考えてほしいのか、それとも夕食の献立を考えてほしいのか。ここで依頼事項と欲しい結果を整理することが大切です。
またこのとき、どのような形で回答してもらうかを指定するのも有効です。「箇条書きで示してください」「レシピを10個考えてください」「作り方は後で聞くので、まずはアイデアを30個出してください」といった形で、回答方法も指示しましょう。
■状況、ステータス、背景を設定
次は、今の状況や状態、あるいはここに至るまでの背景についての設定を行います。これがないと、相手からの回答がまったく的外れなものになってしまいます。
今回の例では、「冷蔵庫の中身で作れるレシピ」ということで、冷蔵庫に入っている食材を列挙しました。もっと丁寧にするなら、食材の数や賞味期限などを明示しても良いでしょう。
■制約、条件、ルールの設定
最後に、今回のアクションを行うにあたってのルールを設定します。
例えば「冷蔵庫の中の食材をすべて使わなくてもいい」「30分以内で作れる料理に限る」「野菜を2種以上使う」「一般的な調味料で作れる範囲で」などなど。
どこまでが許されて、何をしてはNGなのか。これを具体的に示すことで、欲しい結果にうまく誘導することができます。
■会話を何度も続ける
ChatGPTは、必ずしも正しく明確な答えを持っているわけではありません。
一緒に考えて、アイデアを膨らませることができますので、会話を楽しむように、返ってきた答えに対してキャッチボールをしてみてください。
「ちょっと欲しかった回答と違うので、もう少しこうして欲しい」「こういう点が良かったから、それを踏まえて更にアイデアを出して」という風に、コメントを続けて、会話を育てていくことができます。
欲しい結果が得られなかったとしても諦めず、むしろ相手を育て上げるぐらいの気持ちで、会話を楽しむようにしましょう。