夫からの「離婚しよう」にはよこしまな考えがありそうだ
家庭内別居くらいだと思っていたら
「下の子が高校を卒業した3年前から、夫は何かというと『生活を変えたい』『ひとりになりたい』と言うようになったんです。私はもうとっくに夫と仲良くやっていくのは諦めているので、家庭内別居に近くなっているけど、これでもいいかなと考えていました。別居するとなると経済的に厳しいですから」
そう言うのはマチコさん(52歳)だ。現在、長男は就職して独立し、次男は大学3年生。こちらもいずれ独立していくのだろう。今も次男とは同居しているが、家で食事をとることはめったにない。
「私はパートで仕事をしています。夫とは子どもができるまではベタベタのカップルだったんですが、子どもができたとたん、彼自身も子どもに戻ってわがまま三昧。挙句、浮気を繰り返し、ちょっとは子どもたちにも目を向けてよと言ったら、『おまえがオレに目を向けないから、こういうことになったんだ』と開き直った。それで私はもう夫を頼らないことにしたんです。それから20年近く、表面上の家族を演じてきたという実感があります」
子どもがいるから我慢できた夫婦生活
心が通い合わないと思いながらも、その部分は子どもたちが埋めてくれていた。思春期は反抗的な態度をとった長男も、今は「お母さん、元気でやってる?」と折を見て電話をくれる。誕生日に帰ってきて祝ってくれたときは涙が出るほどうれしかったという。
「夫への不満も、子どもがいるから我慢できた。でも子どもたちが大人になってみると、夫との間には何もないとわかってしまったんです。だから最近は、夫となるべく顔を合わせないように生活するようになりました」
いつのころからか、夫はリビングにかけてあるカレンダーに自分の予定の一部を書き入れるようになった。マチコさんはそれを見ながら、夫が週末、家にいるなら自分は友人と会おうとか、スポーツジムに行こうとか、計画を立てている。
>夫の一言は青天の霹靂だった