同世代からは「すごい」「ある意味、羨ましい」
アラ還といわれる年代での彼女の情熱を、同世代は「すごい」「羨ましい」とさえ言っている。ある種の「魔性系」として認知されたということなのかもしれない。「ああいう、どこかほわんとしている雰囲気なのに、いざというときは我を忘れて『狂乱』なんて言われるほどの情熱を見せる。ああいう女性こそが魔性系なのかもしれませんね」
同世代の女性はそう言った。近づきやすい雰囲気を持ちながら、魅入られたら逃れられない。搦(から)め手で愛情を突きつけられる。真正面から受け止めて全力で愛を返さないと許されない。そんなイメージがある。
50代半ば「恋したら蟻地獄」な同僚の存在
「会社にもいるんですよ。50代半ばで、2度結婚している女性なんですが、見た目もきれいだけど、なんともいえない雰囲気を持っている。仕事もできる。でもみんなで世間話をしていると、意図的なのか無意識なのかわからないけど、けっこうなボケをかます。それが笑えるから、男性社員からはいじられていますが、笑って受け流している。私の隣の席の男性は『実は、ああいう女が怖いんだよなあ』と言っていました。恋したら蟻地獄なんだよって。彼、そういう女性に魅入られて、かつて大変な目にあったらしいです(笑)」
ルリさん(40歳)はそう言う。ルリさんから見ると、かわいいところのある年上の女性なのだが、どうやら男性の視点は違うようだ。
「彼女、基本的に人との物理的距離が近いんですよ。相手が男性の場合は特に。仕事の話をしていても、話が込み入れば込み入るほど、だんだん顔が近づいていく。で、じっと目を見る。仕事の話なのに、なんだかドキドキしたと隣席の男性が言っていました。勘違いしちゃう男性が多いのかも」
彼女を知るベテラン社員によれば、距離が近いとか目を見つめるとかは、若いころから変わっていないようだ。彼女にとっては、別にそれで男の気を引こうというわけではないらしい。
>魔性系に年齢は関係ない、尋常じゃない何かが……