野菜の「あく抜き」をしないとどうなるの?
何気なく「あく取り」しているけど、そもそも「あく」って何?
普段何気なくやっている調理法だけど、いざその理由を聞かれると答えられない……そんな料理の素朴なギモンに、管理栄養士が回答します。
Q:そもそも「あく」って何?
野菜の「あく」とは、野菜に含まれる渋みやえぐ味、苦味などの雑味のことをいいます。例えば、カレーを作る際に野菜を煮込むと白い泡がブクブクと出てきますよね。この泡の正体こそ野菜の「あく」であり、取り除くことですっきりとした味わいの料理に仕上がるといわれています。
成分という観点で見ると、あくには苦味の成分としてアルカロイドや有機・無機塩類、渋味を出すタンニン系物質を含んでいます。また、えぐ味の成分にはシュウ酸やホモゲンチジン酸といった成分が挙げられます。
Q:なぜ「あく抜き」をする? どうやってするの?
あく抜きには食材の不快な味を取り除き、おいしく食べやすくする効果があります。野菜を食べて舌がピリピリしたり、苦いと感じたりする場合、あくの原因となる成分が含まれているからかもしれません。
あくが多い野菜とされるゴボウやナスは、調理の前に水にさらすことであく抜きが可能。また、春に旬を迎えるたけのこは米ぬかを使って茹でます。これは、アルカリ性の米ぬかは、えぐ味の原因となるホモゲンチジン酸を中和して食べやすくする効果があるためです。
Q:「あく抜き」をしないとどうなるの?
あく抜きを面倒に感じることがあるかもしれません。ですが、あく抜きには料理を美味しくする以外にもさまざまな効果があるのです。あくを取り除かなかった場合、有害な成分を摂取してしまう可能性があります。えぐ味の原因となるシュウ酸は、体内にあるカルシウムと結びついて尿路結石の原因になることもあるので注意が必要です。さらに、煮汁が濁ってしまったり、切り口が変色したりして、見た目に影響が出ることもあります。あく抜きという「ひと手間」を加えることで、おいしく健康に食事を楽しむことができるのです。
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