人間関係

銀婚式当日、妻から離婚届を突きつけられた!52歳夫は「離婚するほどのこと?」とパニックに(2ページ目)

25回目の結婚記念日の夜、食事のあとに妻からつきつけられたのは離婚届。それなりに家事も手伝ってきたし、自炊だってできる。なのになぜ? 夫にはさっぱり理由がわからない。

亀山 早苗

執筆者:亀山 早苗

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自由を求める妻、添い遂げたい夫

近年、子どもが大きくなったあとの夫婦関係が大きく変わっている。卒婚、ゆるやかな家庭内別居、もちろん中には離婚する夫婦もいる。多くは女性から申し出ている実感が強い。

妻たちは「自由」を求めている。それは夫がいては手に入りづらいものなのだ。

「うちは食事関係は妻任せですが、僕もそこそこやっているんですよ。家中の掃除はほぼ僕がやっているし、週末の買い出しは一緒に行くし。若いころはちょっと遊んだことはありますが、妻に知られるような浮気はしたことがない。妻が言うことを抑えつけたりしたこともありません。ずっと友だち関係で対等にやってきたはずなのに、なぜいきなり離婚なのかさっぱりわからないんです」

一度、きちんと妻に問いただしてみたほうがいいと伝えてから1週間後、セイジさんと再び会った。

妻が許せなかったこと

「いろいろ聞いたら、ようやく妻が話してくれました。今後の生活の目処がたったから、離婚したいと思ったそうです。なんだそれという感じなんですが……。『少しだけど親の遺産が入った。退職金や年金、退職後も働くことを考えていくと、あなたに経済的に頼らなくても生きていける。だからひとりになりたい』と。僕は妻の親の遺産なんてもちろん奪い取るつもりはない。

なぜふたりで生きていこうと思ってくれないのかと言ったら、『私があなたを信頼してきたと思ってる?』って。遊び感覚で浮気をしていたことがバレていました。それから息子が高校受験に失敗したとき、僕が『受験なんてたいしたことじゃない』と言ったらしいんです。僕は覚えてなかったし、少なくとも受験は人生の重大事ではないと思っているから、そう言ったとしても責められることではないと今も思っています。でも妻は許せなかったそうです。本人の努力を蔑ろにするような発言だからって」

些細かもしれないが、いくつものできごとが妻の中で不満として蓄積されていったのだろう。だからといって離婚するほどのことか、と夫は感じている。だが、妻は経済的な問題さえなければひとりになりたいと望んでいる。助け合って生きることなど考えていないのだ。これは夫にとっては衝撃的だろう。今までの夫婦の生活という歴史を重んじたい夫と、これからの自分について考えたい妻との間には埋めようのない亀裂が生じているのではないだろうか。
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