「義実家LINE」で関係がますます混迷
「ただでさえ私は夫の両親やきょうだいから結婚を反対された身。だからこそ家族LINEに誘われたとき、やめておけばよかったんです。でもやっぱりずっと嫌われたままではつらいから、誘いに乗ったんですよね。仲良くなれればいいなと思って……」ルリさん(37歳)はそう言う。バツイチだった彼女が、2歳年下のタカシさんと知り合ったのは6年前。2歳の子がいた。
「彼とは友だち関係でいるつもりだったんですが、根気よく口説かれて。私も彼が好きだったけど、息子が最優先だったので夜のデートも控えていました。そうしたら彼、来てくれるんです。でも子どもが起きたらよくないと、男女の関係にはならないまま。
自然と子どもとも仲良くなって、子どものほうが先に『パパ』と呼びかけたとき、彼、号泣していました。この人とならやっていける。そう思ったんですが、彼の両親と姉、妹は大反対。でも彼は反対を押し切って結婚を選び、3年前に婚姻届を出しました。今、長男は8歳、彼との間の長女が2歳になります」
反対していた義両親も、彼との子が生まれると態度が軟化した。だがそのときも彼は、「上の子もオレの子として育てているんだから、お父さんもお母さんもそのように接してくれないと困る。そうでなければ子どもたちはいっさい連れて来ない」と言い切った。
「義母はときどき、チラチラと嫌味を言いますが、私は夫との関係が強固だから怖くない。1年くらい前だったかな、『あなたも家族LINEに入って』と義母から言われたんです。家族LINEといっても、義父と夫は入ってなくて、義母と義姉夫婦、義妹夫婦だけ。そこへ私が入るのもどうかなと思いましたが、義母は『連絡用だから。入ってくれないと困るのよ』って。私も仲良くしてもらえるならありがたいですと言うしかなかった」
「義実家LINE」でやらかした
おいしいお店を伝え合ったり、家族の行事を確認したりとごく穏やかに進んでいたが、義姉の息子が中学に入ったときのやりとりで、ルリさんは「やらかして」しまった。「入学のお祝いを書いたら、『うちの子、私立に落ちたの知ってるでしょ』と義姉がかみついてきた。そんなことすっかり忘れていたんです、私。忘れていたとは書けないから、『それでも中学入学はおめでたいですよ』と伝えたら、『私立に入れなかったんだからめでたくないの、わからない人ね』って。ごめんなさいと書いて逃げましたけど……」
その後、読むだけに徹していたら「どうして返信書かないの?」と今度は義妹。単なるいじめの場と化しているとしか思えない。
しかも義母の文面は長い。LINEで長々書かれても読む気がしない。リテラシーの問題もある。面と向かって話しているならニュアンスも伝わるが、通常の話し言葉を文にするとキツい感じがすることもあるだろう。
「義妹と義母と3人でやりとりしたとき、義妹がちょっとふざけたことを書いたので、私も笑っている顔文字を送ったんです。そうしたら義母が『頭悪そう』って。冗談だったんでしょうが、地味に傷つきました」
そんなことが続き、とうとうルリさんは耐えられなくなった。LINEの存在はタケシさんには内緒、女だけの秘密ということになっていたが、彼女は夫に見せて説明した。
「夫は激怒したけど、『文句を言ってもしょうがないから』と私の携帯から、『タケシだけど、ルリはここを退会させます』とだけ書いてくれました。よほどのことがない限り、実家にも行かないと夫は断言していますが、夫と実家の関係まで悪化させたようで心苦しい。参加しなければよかったとつくづく思います」
LINEに参加しなければ「冷たい」と思われたかもしれないが、今のような事態になるよりはましだったかもしれないとルリさんは言う。
>義実家LINEには「絶対参加しない派」も