貯蓄

極端な節約生活を送ると幸せになれるの?

先日、こんな質問をいただきました。「さいきん貯金を始めたのですが、すこしやり過ぎてイライラすることがあります。極端な節約が逆効果になることはありますか?」今回は、この質問に筆者なりの意見をまとめます。

中原 良太

執筆者:中原 良太

エビデンスに基づく資産活用&マネープランガイド

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先日、こんな質問をいただきました。「さいきん貯金を始めたのですが、すこしやり過ぎてイライラすることがあります。極端な節約が逆効果になることはありますか?」今回は、この質問に筆者なりの意見をまとめます。

極端な節約生活を送ると幸せになれるの?

極端な節約生活には「窮屈さ」があります。一部の研究では「度が過ぎた節約を続けると、不幸になるかもしれない」という話もあります。
 
たとえば、節約のせいで大事な人間関係に傷をつけてしまったり、食費をケチったことで不健康な食生活になってしまったりしては本末転倒です(筆者自身、反省していることも多いです)。
 
一方で、「私が若かった頃は、貧乏だったけれど、楽しかったなあ」という話を聞いたことがある、もしくは、感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
 
筆者自身、若かった頃は「投資の神様バフェットみたいに、株式投資で成功したい!」という気持ちが大きく、節約に傾倒していた時期があります。
 
食事は基本的に自炊。職場へはお弁当を持っていく。持っていけないときにはカップラーメン。
 
支出も少ないほうが良いので、妻が借りたワンルーム・アパートへ転がりこんで、少ない家賃を二人で折半していました。妻とのデート先は無料で行ける「公園」ばかり。
 
仕事で稼いだお金はほとんど証券口座への投資や、本を買って勉強するのに回していました。
 
いま考えてみると「なんてロクでもない男なんだ!」と、付き合ってくれていた妻に申し訳なくなります。幸い、妻も節約志向で、「作り置きのカレーを1週間食べ続けて食費を節約する」という苦行じみた生活をしていたのですが……(笑)。

極端な節約生活でも幸せに生きる条件

「貧乏だった頃は楽しかった」と感じる人はたくさんいます。どうしてでしょうか?
 
これには、いくつか理由が考えられます。
 
第一に、節約生活に「前向きな意図」があること。
 
たとえば筆者の場合は、「お金を貯めて投資をしたい!」という前向きな意図がありました。投資にかぎらず「いまは貧乏だけれど、勉強して仕事で成功してやる!」というような目標があれば、極端な節約生活も、案外乗り切れるものです。
 
第二に、節約生活は「創意工夫」で溢れていること。
 
筆者の両親は、「若い頃は、ティッシュ配りの人から必ずティッシュを受け取って、ティッシュ箱に詰め直して使ってたねー」というような貧乏エピソードを、それはそれは楽しそうに語っていました。
 
よく「お金を持つと考えなくなる」と言う人がいます。これは筆者も同感で、お金がないうちは、それはそれとして少ないお金でやりくりしようと知恵が出てくるものです。知恵を回すのは楽しいものです。
 
第三に、節約生活を起点に「これから明るい未来が待っている」と考えられること。
 
明るい未来のためには、多少の苦難は乗り越えられるものです。「老後費用を蓄えるために」という、やや後ろ向きの動機だとそんなにやる気は出てきません。しかし、「かわいい子ども(もしくは孫)と遊園地へ行きたい!」といった前向きな動機だと、ものすごくパワーが湧いてきますよね。
 
また、極端な節約生活を乗り越えた経験があると「あんな生活ですら楽しかったのだから、人生なんとかなるさ。多少の苦難があっても、あの頃と比べれば楽なモンだ」と、楽観しやすくなる面もある気がします。

まとめ

要点をまとめると、

◯極端な節約生活が原因で、不幸になる可能性がある
◯しかし、極端な節約生活が「かえって幸せ」と感じる人も多い
◯理由は節約生活に「前向きな意図」「創意工夫」「乗り越えた先には明るい未来が待っている」といった背景があるから(主に筆者の周りの経験談)


という3点に集約できます。
 
成功者が「若い頃、リュックサック1つで、ヒッチハイクしながら旅行した」というような、極貧体験談……は、よく耳にしませんか。
 
こういう「苦行」といってもいいような「特殊な体験」って、慢性的に続くとか、明るい未来が見えないときにはキツイでしょう。しかし、明るい未来へ続く「人生のスパイス」として考えると、悪くない経験だと思うんですよね。
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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