1億円持っていたら本当にお金の不安から解放されるの?
ズバリ答えは「たしかに不安は減る。けれど、不安が減る度合いは人による」です。仕事上、筆者の周りにはお金持ちがたくさんいます。20代でお金持ちになった人。株や不動産で成功した主婦。株で成功して脱サラしたトレーダー。親から遺産を相続した人。起業して成功した人。などなど。
「1億円」という言葉には、けっこうな迫力があります。筆者が大学生で貯金もほとんど無かった頃は、「1億円を持つお金持ち」と聞くと、孫正義さんのように「頭のキレる、やり手の実業家・投資家」というイメージがありました。
しかし、実際にお金持ちに会ってみると、こういう先入観は吹き飛びました。
1億円を持つ人は「一般人」というには少し違う……異質なところがありますが……「ちょっと変わったところもあるけれど、案外庶民的な、お金に詳しい人たち」くらいに感じます。
また、1億円を持っている人でも、「お金の不安から解放されているかどうか」は、人によって千差万別です。
たとえば、親から遺産を相続した人は、お金をたくさん持っていても、収入が少なければ「毎年、みるみる貯金が目減り」します。預金残高が1億円あっても、「去年までは1億100万円だったのに」となると、不安になってしまうものです。
ほかにも、起業で成功した人の場合も、どんなビジネスにも流行り廃りがあります。景気が良いときは良いでしょうが、悪くなって収入が減ったときには、やはり心配になるようです。「今月の売上、どうやって立てよう」というプレッシャーは、いくら貯金が多くても、無くならないようです。
一方、「自分が好きで得意な仕事」をしている人は、その仕事で順調に収入が増えているかぎり、1億円など持っていなくても「将来が楽しみ」なワケで、お金の心配をしている人はそう多くない気もします。
「貯金」よりも「収入源の盤石さ」が大事
筆者の場合は「個人事業主」兼「個人投資家」兼「トレーダー」として働いているのですが、こういう働き方をしていると、収入が毎年のように変わります。景気が良いときは儲かる一方、景気が悪くなると収入も激減します。また、取引先が潰れたり、ライバルが増えたり、業界の変化の影響も受けます。
こういう仕事をしていて思うのは、収入源が盤石であるかぎり「お金の心配」を感じないということです。貯金が多いか少ないか、貯金が増えたか減ったか、は、割と関係ない気がしています。
たとえば、貯金が1億円あっても「今年の収入が去年の半分になって、先行きが暗い」なら、とても不安になるし、逆に、貯金が1000万円ほどでも「今年の収入が去年よりも多くて、先行きも明るい」なら、別に不安にはならないのです。
ですから「1億円持っていたら、本当にお金の不安から開放されるんでしょうか?」という質問に対する筆者の答えは「その1億円を使って、不自由なく暮らせるだけの収入を生み出し続ける技術と自信があるなら、不安はないだろう」です。
まとめ
要点をまとめると、◯1億円を持つことで不安が減る度合いは人による
◯お金の心配は「貯金」よりも「収入源の盤石さ」の影響を受ける
という2点に集約できます。
この記事を書きながら、いろんなパターンを考えました。
「貯金は1億円……でも、去年まで貯金は1億100万円だった」
「貯金は1億円……でも、収入は去年の半分」
こういうケースを考えてみると「1億円の貯金」には、大した安心感がないと分かります。逆に、
「貯金はゼロ……でも、自分には明るい未来が待っている」
という場合は、困難にぶつかることもあるでしょうが、「自分の未来は明るい」と信じられるかぎり、貯金などなくてもお金の不安はないんですよね。
筆者の妄想も含みますが「お金の不安」というのは、働けない家族を養わなければいけない。借りたお金を返さなくてはいけない。でも、自分の仕事には未来を感じない。長く続けられる自信がない……というような、「引くに引けない、けれど、将来を楽観できない事情」がある人ほど感じるものだと思います。
こういう状況に自分を追い込まないのが一番ではありますが「気づけば袋小路にハマっていた」という人も多い気がします。筆者の書いた記事が、お金の気苦労を軽くする一助になれば、幸いです。