預金・貯金

【金利急上昇】5%の外貨預金はお得なのか?実は高リスク?

米ドル建て定期預金の金利引き上げ競争が過熱しています。三井住友銀行が2023年9月下旬に年5.3%に引き上げたのに続き、SBI新生銀行も10月に6%に引き上げました。日本円の預金金利と比べて高金利で魅力的に思えますが、その分リスクも高くならないのでしょうか?

井上 陽一

執筆者:井上 陽一

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ドル紙幣

金利の引き上げが相次いでいる米ドル建て定期預金。死角はないのだろうか?

米ドル建て定期預金の金利引き上げ競争が過熱しています。三井住友銀行が2023年9月下旬に年5.3%に引き上げたのに続き、SBI新生銀行も10月に6%に引き上げました。

日本円の預金金利と比べて高金利で魅力的に思えますが、その分リスクも高くならないのでしょうか?

この疑問に、家計改善・資産形成の相談に取り組むファイナンシャルプランナーの井上陽一さんがお答えします。

そもそも外貨預金とは?特徴は?

外貨預金とは、外国通貨(例:米ドル、ユーロ、ポンドなど)を金融機関に預けることを指します。外貨預金には以下の特徴があります。
  • 金利:外貨普通預金は変動金利、外貨定期預金は固定金利です。これらの金利は各国の市場金利など金融情勢に基づいて各金融機関で設定され、利息は外貨で支払われます。
  • 為替リスク:預けている通貨の価値は為替レートの変動に伴い変わります。そのため、利益が出ることもあれば損失が発生することもあります。
  • 為替手数料:日本円を外貨に交換する際には、為替手数料が通常発生します。

5%のドル預金はお得なのか?リスクはないの?

5%のドル預金は、日本円の預金金利と比べて高金利で魅力的に思えますが、以下のリスクが存在します。
  • 円安の場合、利益が出る可能性がありますが、円高の場合は損失が発生し、元本を下回る可能性があります。
  • 為替手数料が高額になることがあります。
  • 外貨預金は預金保険制度の対象外であるため、金融機関が破綻すると預金が保護されません。
 
100万円を期間3年の外貨定期預金に預けた場合を例に、為替レートの変動による結果をシミュレーションしてみます。
  • 開始時の為替レート:1ドル150円
  • 年利率:5%
  • 為替手数料:1ドル当たり0.5円
  • 利息の税率:20.315%
  • 通貨端数処理:日本円は円未満切り捨て、ドルは小数点以下第3位以下を切り捨て
 
満期時の為替レートによる満期時の日本円残高:
  • 1ドル130円(円高):966,526円(損益:-33,474円)
  • 1ドル150円(同額):1,115,797円(損益:115,797円)
  • 1ドル180円(円安):1,339,702円(損益:339,702円)
 
今後、為替がどのように動くかによって預金額に大きな変動が生じます。開始時の為替レートが1ドル150円の場合、満期時の為替レートが1ドル150円や1ドル180円の場合は利益が出ますが、1ドル130円の場合には約3万円のマイナスとなることが分かります。

円預金と同じ感覚で損失を避けたいと考えるならば、外貨預金は「お得」ではありません。利益と損失の可能性を理解し、それを許容できるかどうかで判断するとよいでしょう。
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