Q. 医学的にも効果的なストレス解消法が知りたいです
睡眠はストレス解消の最も簡単な方法
ストレス解消のためには様々な方法がありますが、仕事や家事で忙しい方は、リフレッシュの時間をねん出するのも難しいかもしれません。効果があり、簡単なストレス解消法をご紹介します。
Q. 「忙しく、ずっとストレスの高い状態が続いています。リフレッシュしたいのですが時間がありません。医学的に効果的なストレス解消法を知りたいです」
A. ストレス解消に、もっとも簡単で効果的な方法は「眠ること」です
生体反応としての「ストレス」は、「寒冷、感染、心労など体外からの刺激に応じようとして体の内部で生じる様々な体や心の反応」のことです。より具体的には、外的な刺激にさらされたときに、緊張してドキドキする、血圧が上がる、呼吸が速くなる、不安になるなどの体や心の変化をさします。少し専門的になりますが、ストレス応答に中心的な役割を果たしているのが、自律神経系の交感神経と、内分泌系のうち副腎皮質から放出される「コルチゾール」というホルモンです。
交感神経と副腎皮質ホルモンのコルチゾールによって生じるストレス反応は、外部環境の変化に対して私たちの体や心が適応しようとして起こるもので、本来は生きていくために必要なしくみです。しかし、うまく適応できないとストレス反応がずっと続くことになり、心身にいろいろな不調が起きてしまうこともあります。そのようなときにはどう対処すればよいでしょうか。
ストレス解消法として様々なものが挙げられますが、最も簡単な方法が「睡眠」です。
私たちが日中活動しているときは、様々な出来事に素早く応じることができるように心や体を緊張させておく必要があるため、自律神経系は交感神経優位になっています。しかし夜の睡眠中には、交感神経の活動が低下し、副交感神経の方が優位になります。副交感神経は、体と心に安息の状態を作ります。心臓の動きはゆっくりになり、血圧は下がり、呼吸も緩やかになります。一方で、休息中にエネルギーを蓄積しておくため、逆に胃腸運動を促進して消化機能を高めます。
副腎皮質ホルモンであるコルチゾールの分泌も、日中と夜間で変わります。具体的には、夜間の睡眠中には血中コルチゾール量がぐっと減少し、早朝になっていよいよ目覚めるというころになると、再び増加してきます。
つまり、しっかり睡眠をとれば、その間は交感神経の活動と副腎皮質ホルモンの分泌が減るので、ストレス緩和につながるのです。
逆に、忙しく、ストレスの高い状態で、睡眠時間を無理に削るような生活をしていると、交感神経の活動と副腎皮質ホルモンの分泌が高まった状態が続いてしまいます。心身の不調が起きやすくなり、そのために寝付きが悪くなったり、朝早くに目覚めてしまったりといった睡眠障害も引き起こされることがあります。このような悪循環に陥らないよう、まずはしっかりと睡眠時間は確保するようにし、上手にストレスを解消するようにしてください。
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