新NISAとiDeCo どっちから始めればいい?
このような悩みに対して、著書『知りたいことがぜんぶわかる!新NISA&iDeCoの超基本』を上梓した経済ジャーナリストの酒井富士子さんがお答えします。今回は、「新NISAとiDeCo 始めるならどっち?」についてです。
Q. 新NISAとiDeCo どっちから始めればいい?
「新NISAとiDeCoの違いがよく分かりません。両方始めるのが難しい場合は、どちらから始めるのが良いのでしょうか。教えてください」A. まずは使い勝手の良い新NISAから始めるのが得策
新NISAとiDeCoは、国が実施する2大非課税制度ですが、それぞれ特徴と用途が異なります。新NISAでは投資収益にかかる税金が非課税となり、いつでも資金を引き出すことができます。住宅購入費や子どもの教育費など、ライフイベント全般に活用することができるため、使い勝手が良いと言えるでしょう。一方、iDeCoは原則として60歳まで引き出しができませんが、税制優遇の手厚さが魅力です。新NISAの税制優遇が運用時に限られているのに対して、iDeCoでは、さらに積立時、受取時も含めた3段階で手厚い優遇を受けることができます。
税制メリットの面で見ると、iDeCoのほうが新NISAよりも断然お得と言えます。特に積立時の税制メリットは大きく、掛金全額が所得控除の対象となるため、所得税と住民税の負担を軽減することができます。そのため、老後資産を形成するための長期投資の場合にはiDeCoを利用するほうが適しています。 老後のお金を貯めるうえでは、iDeCoを早く始めたほうが有利です。しかし、まだ日常の生活費にそこまで余裕のない場合には、急いでiDeCoを始める必要はありません。毎月の掛金で生活が圧迫されてしまっては本末転倒なわけで、iDeCoで無理して老後のお金を貯める前に、新NISAで住宅購入費や教育費など10~20年以内にかかるお金を貯めたほうが賢明でしょう。
また、新NISAは口座開設の手間が少なく、手数料もiDeCoより安く、気軽に利用することができます。そうした点からも、20~30代の若い世代におすすめの制度なんです。
新NISAについてより詳しく知りたい方は、酒井富士子さんの著書『知りたいことがぜんぶわかる!新NISA&iDeCoの超基本』(Gakken)をお読みください。