そもそも沖縄ぜんざいとはどんなもの?
沖縄ぜんざいとは、一言で言うと“かき氷”。金時豆の上に氷が乗っている、沖縄独自のスイーツで、「冷やしぜんざい」などと呼ばれることもあります。ちなみに、沖縄では本土のぜんざいのことは「ホットぜんざい」と呼んでいます。沖縄ぜんざいに使用される金時豆は、アメリカ産のものが主流。アメリカ統治時代に、安く手に入ったことから、使われるようになったといわれています。アメリカ産のものは日本本土のものと比べて皮が厚いので煮くずれせず、食感がモチモチしているのが特徴です。これを、砂糖や黒糖などを使ってじっくり煮込みます。
甘くてモチモチした金時豆と冷たい氷の相性は抜群で、南国沖縄を代表する甘味として君臨しているのも、納得のおいしさです!
なぜ「ぜんざい」と呼ばれているの?
本土のぜんざいをイメージして沖縄ぜんざいをオーダーしたら、実物を見てビックリする人もいるでしょう。なぜ、沖縄では金時豆入りのかき氷を「沖縄ぜんざい」と呼んでいるのでしょうか?沖縄ぜんざいの老舗「千日」の2代目、小坂さんにお話を伺ったところ、はっきりした由来や起源は分からないということでした。ただ、千日の前身の屋船食堂の創業当時、1958年頃の写真では、沖縄ぜんざいではなく「金時」というメニュー名だったことが分かっています。
さらに、1962年にオープンした当初の千日の写真では、すでに「冷やしぜんざい」というメニューの文字が見られました。1960年前後に、沖縄ぜんざいの名前の由来に関する決定的な答えがあるのか? ともあれ、この頃にはすでに「沖縄ぜんざい」という名前が定着していたようです。
半世紀以上も愛される沖縄ぜんざい
沖縄ぜんざいの超有名店であり、那覇の冷菓店として最も古いのではないかともいわれるのが、先に「沖縄ぜんざい」という名称の由来についてお話を伺った、1962年創業の「千日」です。雪のようにふわっと解ける氷と、昔ながらの優しい甘さでモチモチ食感の金時豆が特徴の千日のぜんざいは、特に那覇の人たちにとっては忘れられない幸せの味。家族3世代で食べに行くという人も珍しくなく、半世紀以上にわたって愛され続ける沖縄ぜんざいなのです。 かつては、お店の隣がバスターミナルで、近くには波の上ビーチがあるという好立地ということもあって、創業当時から那覇の町やビーチに遊びに来る人たちの、お楽しみの味でもあった沖縄ぜんざい。まるで昭和の時代にタイムスリップしたかのような懐かしい雰囲気の中で、じっくり味わってみてはいかがでしょうか。
千日
住所:沖縄県那覇市久米 1ー7ー14
営業時間:11時30分~19時
定休日:月曜日(祝日の場合は営業、翌火曜日は休み)
最新! 島いちごがふんだんに使われた沖縄ぜんざい
2023年、最新の沖縄ぜんざいとしてご紹介したいのが、ホシのシズクの「島いちご黒糖ぜんざい」。那覇の中心地、太平通り商店街というレトロなロケーションにオープンした注目店で味わえるのは、沖縄でしか食べられない島いちごを15粒分も使用するという、スペシャルな沖縄ぜんざいなのです。沖縄ぜんざいが好きで、さまざまな店のぜんざいを研究したという店長渾身の金時豆は、甘さ控えめで硬さのバランスも絶妙。島いちごの存在感に負けない骨太な味わいで、沖縄ぜんざいの神髄を守りつつも斬新な一品に仕上がっています。那覇観光の途中に立ち寄ってみてください。
ホシのシズク
住所:沖縄県那覇市松尾 2ー24ー13
営業時間:11時~18時30分(18時ラストオーダー)
定休日:水曜日
今回は沖縄ぜんざいについて紹介しました。金時豆入りのかき氷をなぜ、ぜんざいと呼ぶのか。誰がそう呼び出したのか。はっきりとした答えはありませんが、沖縄らしく「どうしてって、冷たいぜんざいみたいな感じだからでしょ?」というのが、答えなのかもしれません。