「物価が上がり始めたのをきっかけに、資産運用に興味を持ちました。おすすめの投資方法や、注目の投資先は何かありますか?」
今回は、この質問にお答えします。
物価上昇に負けない投資とは
そもそも、インフレ対策って何?
まずは、資産運用の「ゴール」を決めましょう。本記事のタイトルにもあるとおり、資産運用で目指すのは「インフレ対策になること」です。では、そもそもの話として「インフレ対策」って何でしょうか?
おそらく、この言葉が意味することは2つあると考えられます。
1つは、「物価が上がるのと合わせて、自分の財産の価値も上がる仕組み」を作ること。たとえば、物価が1%上がったら、自分の財産の価値も1%以上上がるような仕組みを作ることです。
もう1つは、「物価が上がって、苦しくなった家計」を改善すること。すなわち、資産運用を通じて、金融所得を作ることです。
そこで本記事では、「物価が上がったら自分の財産の価値も上がる」「金融所得を作って家計を支える」という2点を満たしそうな、株式投資のやり方を考えてみます。
インフレ対策として有力な投資法
繰り返しですが、本記事で目指す「インフレ対策」の要件は以下の2つです。(1)物価が上がるのと合わせて、自分の財産の価値も上がる仕組みを作る
(2)金融所得を作って家計を支える
まず、重要なのは(2)です。株式投資で金融所得を作るもっともてっとり早い方法は、定期的に配当金を受け取ることです。ですから、投資先は「そこそこ配当収入の多いところ」に絞るのがよさそうです。
次に重要なのは(1)です。インフレと連動して自分の財産の価値が上がる……。こんな仕組みを作るためには、何をするのがよいでしょうか?
株式投資の場合、投資先の価値は業績と連動します。ですから、選ぶべき投資先は「インフレと業績が連動するような会社」です。
今回のインフレの元凶は「モノが足りないこと」です。ですから、「足りないモノを売っている会社」に投資をすれば、インフレと資産価値を連動させることができそうです。
では、いま「足りていないモノ」というのは、具体的に何のことでしょうか?
身近なところで思いつく投資先候補は「出光興産<5019>」です。
ガソリン価格が高騰していて「家計が苦しい!」と感じる方も多いと思います。これはウラを返すと、ガソリンを売っている会社は儲かっているということです。
であれば、ガソリン代が上がったときに備えて、ガソリンを売っている会社の株を持っておく……というのは、悪くない選択肢となりそうです(ただし、ガソリン価格が下がると、株価が下がるリスクがあります)。
ほかに思いつく投資先候補は「日東富士製粉<2003>」や「DM三井製糖<2109>」です。
スーパーへでかけたとき、「また値上がりした!」「パッケージが小さくなった!」と驚くことが増えていませんか?
足元では、さまざまな食品で使われている小麦や砂糖の価格が上がっています。これらの価格が上がると、食料品価格は軒並み高騰する可能性があり、家計にも大打撃です。であれば、「小麦や砂糖の価格と連動して、資産価値が増える」ところに投資をするのも一手でしょう。
たとえば、この記事を書いている時点では、小麦粉を売っている日東富士製粉<2003>や、スプーン印の砂糖を売っているDM三井製糖ホールディングス<2109>あたりは、食品株にしては配当利回りが高く、家計の助けになってくれそうです。
まとめ
以上が、筆者の考える「インフレ対策としての資産運用」です。ひとことに「インフレ対策」といっても、人それぞれ対策の仕方は違うと思います。ガソリンをたくさん買う家庭では「出光興産<5019>」が魅力的でしょうが、そうでない家庭にとっては、そんなに魅力を感じなかったんじゃないでしょうか。
インフレ対策でまず考えるべきは「いま、何の値段が上がると、家計が苦しくなるか?」です。
値上がりしたら困るものを売っている会社の中に、将来性があって、それなりに配当を受け取れるところがあれば、投資を検討してみてもよいかもしれません。