どうしても黙っていられなかった
結婚して12年、4年前から夫の実家近くのマンションで暮らしているサエさん(43歳)。10歳と7歳の男の子がいる。「上の子が小学校に入る前に、夫の実家近くに越しました。保育園なら夫婦ふたりで協力すれば面倒もみられたんですが、小学校に上がると学童だけでは補いきれない。でも私はどうしても仕事を辞めたくなかった。そうしたら義母が『応援するから』と言ってくれたんです」
義父母は現在、70代前半で、義父は今も仕事をしている。夫の弟も同居しており、夫によれば「ヤツは独身主義だから」ということらしい。多忙でめったに家にはいないが、たまにサッカー好きの息子たちのために観戦に連れていってくれたりもする。
「結婚後、同居するまでの8年間、義父母とはいい関係を築いてきたつもりでした。助け合いつつも干渉しあわないのが理想だと最初から夫が言ってくれたし、義母もさっぱりした人だったんです。私は自分の母親と折り合いが悪かったので、夫の母親とどう付き合ったらいいかわからず、最初はビクビクしていました」
さっぱりした性格の義母
当時は1時間弱の距離に住んでいたので、たまに子連れで実家へ行くこともあった。だが義母がいきなり訪ねてきたり、長電話に付き合わされるようなことはなかった。その代わり、「困ったことがあったらすぐ電話して」とだけ言われた。風邪で寝込んだとき、迷ったあげく、サエさんは電話したことがある。「義母はすぐにやってきて、子どもたちを別室に移し、私にはおかゆや保存食を作ってくれて、子どもを連れて戻っていきました。風邪が治るまで預かるからって。うちにいたのは約2時間、その時間で料理して洗濯して、あとをきれいにして帰っていった。私の枕元に水や軽食を置いて……。ありがたかったですね」
義母は自分が寝込んだときは連絡してこない。サエさんは少しずつ義母に心を開いていった。そして近所別居が始まったのだ。
>あるとき、義母の考え方が透けて見えた